「いのちの停車場」の見どころを語る成島出監督=5月13日、福井新聞社

 石川県金沢市を舞台に、吉永小百合さんが主演し初の医師役を務めた映画「いのちの停車場」が5月21日、福井県福井市のテアトルサンクなど福井県内3館をはじめ全国で封切りされた。在宅医療をテーマに命に向き合うヒューマンドラマ。成島出監督(60)は13日、福井新聞社を訪れ、「リアリティーがあり、自分の話かも、との距離感で見てもらえる作品」と語った。

 東京で救急救命医として働いていた主人公(吉永さん)が、故郷の金沢市に戻り診療所で在宅医となり、患者やその家族、スタッフと触れ合いながら歩み出す物語。吉永さんのほか、西田敏行さんや広瀬すずさん、松坂桃李さんなど幅広い世代の豪華なキャストがそろった。原作は医師で作家の南杏子さん。

 撮影は2020年9、10月で、駅を始め茶屋街や浅野川大橋など金沢市内各所でロケした。成島監督は「日本らしい風景。古い景色がこの映画に合っていた」と話す。コロナ下で制約やストレスが多かったが「主役の吉永さんが本番前のテストから完璧に決めてきた」と絶賛。「引っ張られる形で若手や現場にものすごい集中力があった」と振り返った。

 テーマの一つが「家族」で、さまざまな場面で人と人とのつながりが色濃く描かれている。新型コロナの影響で、家族の最後がみとれないニュースに触れた成島監督は「みとる側とみとられる側で、最後の時間の共有がどれだけ大切か。当たり前だった大事さに気付いた」と話していた。

 21日公開開始は、県内では他に福井コロナシネマワールド(福井市)、鯖江アレックスシネマ(鯖江市)で。