福井銀行本店(左)と福邦銀行本店=福井県福井市

 福井銀行(本店福井県福井市)が福邦銀行(同)を子会社化する資本業務提携に両行が最終契約し、福井県内シェア5割超の金融グループが10月1日に誕生することが決まった。経営合理化を進めるとともに、グループとして力を入れるのは地域貢献だ。2024年春の北陸新幹線敦賀開業を見据え、21年度内にも観光地域商社を設立し、両行が共同運営して交流人口増加や地域活性化に取り組む。

 観光地域商社は福井銀が出資する方針で、インバウンド(訪日外国人客)向けの観光商品の開発や販売などを行う。福井銀の林正博頭取は「詳細はこれからだが、新幹線県内延伸に向けて観光面をメインに福井にプラスとなる事業を行っていきたい」と話した。

 もう一つの新事業として人材派遣・紹介会社を設立する予定。人手不足の労働市場を踏まえ、県内企業の人材ニーズに対し、両行OBの派遣や専門人材の紹介を通じて企業の成長、発展につなげたい考えだ。

 二つの新事業会社は、超低金利の長期化などで地銀の経営環境が厳しさを増す中、政府が進める規制緩和を踏まえた形。林頭取は「収益力を強化し、地域貢献にもなる」と強調した。

 業務効率化では、両行の本部機能の統合が柱の一つとなる。両行の営業や融資、企画・人事部門はそれぞれ維持するが、有価証券運用などの市場部門、総務、管理、監査などを同一拠点に集約する。

 店舗再編を進めるほか、店舗窓口にタブレット端末の導入も検討し、事務効率化や来店客の利便性を図る。現金自動預払機(ATM)は現在の計370台を4年間で約1割減らす方針。

 20年3月の包括提携後、両行が取り組む「Fプロジェクト」は、システム共有や店舗共同化の投資抑制などにより、1年間で約15億円の提携効果が生まれた。グループ化後は連携施策を着実に実施し、4年間で55億円の効果を目指す。

 福邦銀の渡邉健雄頭取は「店舗再編や本部機能をなるべく共同化し、コスト削減しながら、人員を顧客向けの営業などに振り向け、地域の発展に尽くすことが重要」と説明。1グループ2行体制で進めていくことには「互いに切磋琢磨し、グループとして一体感を持ちながら、総合金融サービスを提供していきたい」と話した。