福井県内8町長に自らの経験を語り、LGBTQに対する理解を求めるかずえちゃん(中央)=5月13日、福井県福井市の県自治会館

 福井県町村会は5月13日、LGBTQ(性的少数者)に関する初の研修会を福井市の福井県自治会館で開き、県内の全8町長が参加した。講師を務めたゲイ(男性の同性愛者)でユーチューバーのかずえちゃん(38)=福井市=は「LGBTQは身の回りにいないのではなく、(自分から)言えないだけ」と指摘。同性カップルを公的に認める「同性パートナーシップ制度」など行政の支援が「大きな支えになる」と訴えた。

 「皆さんのどの町のホームページにも『だれもが安心して暮らせるまち』とある。そこにLGBTQのことも書き込んでくれたら、救われる人は大勢いる」

 LGBTQに理解を深めるために招かれたかずえちゃんは、町長たちに語りかけた。非営利団体「自治体にパートナーシップ制度を求める会」によると、6日現在で全国の105自治体が同制度を導入しているが、県内の導入例はない。北陸では石川県金沢市が7月導入を目指している。

 かずえちゃんは小学5年生で男性に好意を持つ感情に気付いて以来、社会の目を気にして「自分を偽って生きてきた」と説明。24歳で両親にカミングアウト(告白)し、父親から「お前が幸せならそれでいい」と認めてもらった時に「初めて自分の心に柱ができた」と振り返った。

 同性婚が認められているカナダに3年間留学し、帰国後にユーチューバーとして自らの考えや経験を発信してきた。行政やメディアの理解も進んできたが、かずえちゃんの元にLGBTQの10代から「死にたい」とメールが届くことが今もあるという。

 かずえちゃんは「LGBTQが見えない、自分たちからも言えない社会だからこそ、行政の制度が変わる意義は大きい」と強調。パートナーシップ制度は少数派のためだけではなく、子どもを含めた多くの住民に「社会にいろいろな人がいることを可視化して伝える方法にもなる」と訴えた。

 県町村会長の杉本博文池田町長は「もっと認識を深めないといけないと反省した」と語り、県内8町で同制度の導入を検討してみてはどうかと提案。複数の町長が関心を示していた。