半導体不足の影響で、一部車種の納期が長期化している自動車販売店=5月12日、福井県福井市内

 世界的な半導体不足が深刻化する中、福井県内の自動車販売業にも影響が出始めている。メーカーの減産を受け、顧客の注文から納車までの期間が長期化。人気の新型車で納車が1年後になるケースや、納期が確定できない車種もある状況だ。新車需要が回復基調にある中、関係者は頭を悩ませている。

 半導体は、新型コロナウイルス拡大で低迷した自動車需要が急回復する中で、米国工場の大規模停電、国内生産工場の火災などが重なり、生産が追いつかない状況。国内の主要自動車メーカーは2021年に入り、相次ぎ生産調整に踏み切る事態となっている。

 県内の販売店でも影響は出始めている。ホンダのある販売店では、早ければ1カ月ほどで納車できた車種が、最短でも3カ月待ちの状況に。さらに4月末には、メーカーから5、6月の納車が遅れるとの連絡があったといい、担当者は「今後の見通しが立たない。急ぎの客には、店内に在庫がある別車種を勧めざるを得ない場合もある」と話す。

 三菱の販売店によると、メーカーから一部車種でメーターの液晶部分が製造できず、納車時期が確定できないとの連絡があった。担当者は「いつ納められるか分からない車種もあり、客の不信感につながらないか心配」。昨年に比べ売り上げが回復してきているだけに、納期が遅れる現状は痛手だという。

 トヨタの販売店は「本来なら徐々に納期が縮まっていく新型車も、半年待ちの状態が続いている」と話す。マツダの販売店は「通常より半月から1カ月遅れている状態。ただ、影響が出てくるのはこれからの方が大きいのではないか」と不安視する。

 「車検切れなどで、今すぐ車がほしいという顧客が、中古車の購入に流れていかないか」と心配する担当者も。新車、中古車の両方を扱う福井市の会社では、今後さらに納車遅れが深刻化するとみており、中古車の品ぞろえを増やす方針を決めた。