関西電力美浜原発3号機(手前)=2020年12月に福井新聞社ヘリから撮影、福井県美浜町

 関西電力は運転開始から40年を超える高浜原発1号機(福井県高浜町)の再稼働を当面見送り、美浜原発3号機(同県美浜町)を6月下旬に再稼働させる方針を固めたことが5月11日分かった。運転期間を原則40年と定め、特別な審査に合格すれば20年を上限に延長できるとした東京電力福島第1原発事故後の新ルール下で、美浜3号機は全国初の40年超運転となる。関電は12日にも工程を公表する。

 美浜3号機は来週にも原子炉に燃料装荷し、約1カ月後に起動、7月下旬の営業運転を予定している。ただしテロ対策施設が未完成のため、現状のままなら設置期限の10月25日までに停止する。

 高浜1号機もテロ対策施設が完成しておらず、設置期限である6月9日までに原子炉を停止する必要があり、再稼働を見送った。関電は2019年4月時点で設置期限から2年半遅れる工程を示している。「完成が特段早まったという話は聞いていない。年内の再稼働は難しいだろう」(工事関係者)との声もあり、年単位で再稼働できない可能性がある。

 同じく運転40年超の高浜2号機もテロ対策施設は完成していない。延長運転に必要な安全対策工事も終わっていないため、当面再稼働はできない。

 関電は3基のうち、テロ対策施設の設置期限が迫る高浜1号機の再稼働を優先して検討したが、工程を急ぐことによる安全性への懸念や原子力規制庁の意向などを踏まえ、断念したようだ。一方、機器の健全性確認などのため、1号機は原子炉への燃料装荷を近く行う方針。原子炉格納容器の1次冷却水漏えい検査などを進めていく。

 3基は11年以降、約10年にわたり運転を停止している。関電は再稼働に当たり、作業員の増員などで安全対策を強化し、設備の総点検も実施する方針。

 原発の長期利用を目指す国は昨年10月、県と美浜、高浜両町に3基の再稼働への協力を要請。地元同意の最終段階となる杉本達治知事は4月28日に運転延長を認めた。