関西電力高浜原発1号機(手前)と2号機=2020年12月2日、福井新聞社ヘリから撮影

 杉本達治福井県知事が再稼働に同意した運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機と美浜原発3号機のうち、関電が高浜1号機の再稼働を当面見送る方向で最終調整していることが4月29日、関係者への取材で分かった。テロ対策施設の完成が設置期限の6月9日に間に合わず、再稼働しても1週間程度で停止する必要があるため。高浜2号機は運転に必要な安全対策工事が完了しておらず、関電は美浜3号機の再稼働を優先的に進める。

 美浜3号機は早ければ5月末から6月上旬に再稼働するとみられ、東京電力福島第1原発事故後にできた現行のルール下で国内初の40年超運転となる。テロ対策施設が高浜1、2号機と同様に未完成だが、設置期限の10月25日までの運転期間が見込める。

 高浜1号機のテロ対策施設の完成時期について、関電は2019年4月時点で設置期限から2年半遅れる工程を示している。「完成の見通しは立っていない。年内の再稼働は難しいだろう」との声もあるようだ。

 プラントの現場からは「機器の不具合などを確認するため数日間でも動かした方がよい」との意見が出ており、地元には再稼働に伴う地域経済への好影響を期待する声がある。それでも関電は、起動と停止の際に起こりやすいトラブルを懸念し、短期運転を回避する判断を重視しているとみられる。

 40年超運転に必要な安全対策工事が終わっていない高浜2号機は、テロ対策施設の整備も設置期限の6月9日に間に合わない。このため1号機同様、再稼働は当面見送られる。

 関電は美浜3号機の再稼働に注力するとみられ、5月上旬に燃料装荷を開始し再稼働を目指す工程を検討しているもよう。

 3基が約10年停止している点を踏まえ、関電は各設備を起動前に総点検し、発電機と送電設備をつなぐ並列作業前後など重要な局面で安全確認を行う方針を示している。