40年超運転となる再稼働に杉本達治福井県知事が同意した関西電力美浜原発3号機=4月28日、福井県美浜町丹生

 福井県の杉本達治知事が運転開始から40年を超える関西電力の原発3基の再稼働に同意した4月28日、原発が立地する美浜、高浜両町の住民からは「経済の先行きが見通せる」と歓迎の声が多く聞かれた。一方で、「事故の一抹の不安は消えない」など懸念も少なくなかった。⇒【記事】福井県知事が40年超原発再稼働に同意、全国初

 美浜原発から5キロ圏内にある美浜町竹波の澤田忠義区長(61)は「(原発が止まった)この10年間、にぎやかな商店街から人がいなくなったような感じ」。再稼働すれば定期検査などで町内の業者が潤うなどとし、「ずっと辛抱してきた。再び活気づくだろう」と期待した。その上で「どれだけ安全といわれても地元として不安は必ずある。本当に事故のないように。それだけを願っている」と注文した。

 元美浜町議の山崎俊太郎さん(81)は「(2004年の)蒸気噴出事故を反省し安全性向上に努めているというが、本当に安全なのか。原発マネーの問題もあり不信感はある」と漏らした。使用済み核燃料の中間貯蔵施設の問題も解決されていないとし、「不安材料を抱えながら再稼働してもよいのか」と嘆いた。

 高浜町商工会の田中康隆会長(65)は「原発は地域最大の雇用先で、関係者の多くが町内に宿泊している。定期検査も見込め、町の経済にとってありがたい」と歓迎する。70代男性は「やっと同意かという思い」と安堵の表情。「原発は悪いものではない。日本のエネルギーを支えてきたことが冷静に評価されるきっかけになれば」と願った。

 消極的賛成という60代女性は「審査で安全は確認されているが、事故への不安は常に持っている」と吐露する。原発の仕事に携わっている町民が多いため、懸念の声を上げられない人は一定数いるとし、「地域経済のため致し方ないが、もろ手を挙げて喜べない」と顔を曇らせた。

 再稼働に反対し県内原発の廃炉を求めてきた渡邊孝高浜町議は「再稼働ありきの議論だった。大事故が起きたらどうなるか、身に置き換えて考える責任が政治にはある」と非難した。