【職場の悩み相談】有給休暇なし、土曜出勤は無償…個人経営事務所社員から来た悲痛な訴え

 正社員4名、パート社員2名が働く税理士事務所の正社員女性2名が、電話ではなく、事務所に直接相談にみえました。「我慢にも限界が来ています! もう辞めようと思っているけど、その前に何か手立てはないですか!!」という言葉から相談が始まりました。その事務所は、2名の税理士が合同で経営しており、その1名から受けているハラスメントと、加えて労働条件への不満を訴える内容でした。挨拶を無視、気に入らないと個室に呼び出して暴言を浴びせるなどのハラスメントは一人の経営者からではありますが、もう一人の経営者も見て見ぬふりのため、常態化しているということでした。

 そして、就業規則は無く、個人への労働条件通知も当然提示されず、有給休暇無し、土曜日の出勤は無償、時間外手当無し、と驚くばかりの実態でした。「僕が仕事取ってきてあげているから、君たちは給料もらえるんだよ!!」「この前の土曜日に休みあげたでしょ!!」、など。この職場が、法律を駆使し、法律を熟知しているはずの人が経営している現実が、ここにあります…。

 しかし、大変残念なのは、このような事例は稀とは言えず、これまでにも同様の相談がありました(弁護士事務所、会計事務所など)。労働条件が整っていないのは個人経営の小規模会社を予想する人も多いかもしれません。個人経営だから、とか、少人数だから、などの理由で 法律まで守らなくてもいいだろう、など安易な考えで労働者を雇用しているケースが少なくないからです。しかし、労使関係は全ての場合に適用され、「働き方改革」が問われている近年では、法律や社会状況にアンテナを高くして、労働者が働きやすい職場を作っている経営者が増えています。その中での悲しい現実を聞くこととなった労働相談でした。

 解決はそれほど簡単ではありません。ただ、6名の労働者が思いをひとつにして、自らが働きやすい職場にするために、経営者に要求・申し入れを行うことが一番だと助言しました。一人の思いだけで上司や経営者に不満を言った時に、さらに悪い状態になったり、辞めさせられたりしないかと不安に思い行動に移すことが出来ない、と多くの人は我慢してしまいます。たしかに、雇用されている立場は経営者よりも弱い立場ではありますが、仲間を作って固まりを作ることで、経営者と対等に話し合える大きな力となります。

 団体交渉は、労働組合法で定められている権利で、労働組合を作らないと行使できません。組合結成なんてハードルが高い…なんて思わないでください。どんな職業でも、何人でも、雇用されている人は労働組合を結成することで自らの権利を守るために交渉することができます。

 交渉とは、労働組合の代表者が使用者の代表者に交渉することを示して、お互いが歩み寄りをする場です。決して、ケンカをする場と決めつけるのではなく(場合によってはケンカも必要ですが)、良好な関係を構築していく話し合いの場でもあります。一つになれば力になるということを明日へのエネルギーとしてほしいと思います。職場を良くすることは、経営者にとっても願っていることのはずです。(連合福井)

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 パワーハラスメントや会社での冷遇など職場の悩みに対する相談を受け付けている連合福井(日本労働組合総連合会福井県連合会)によるコラムです。解決へ向けたアドバイスを実際に相談のあった事例を基に紹介します。

 連合福井の「なんでも労働相談ダイヤル」は、電話0120154052(相談無料)