災害時の物資輸送実験に使われた小型無人機ドローン=4月22日、福井県越前町人工芝ホッケー場駐車場

 福井県の越前町は4月22日、小型無人機ドローンを活用した災害時の支援物資輸送実験を、町人工芝ホッケー場駐車場―織田コミュニティセンター駐車場間の往復約12キロで行った。町内には中山間地の集落が多く、道路損傷による孤立や支援の遅れが懸念されることから、新たな輸送手段として2022年度の実用化を目指していく。

 町は昨年度、一般財団法人「環境優良車普及機構」が公募した過疎地域でのドローン活用物流実用化事業に応募。県内で唯一採択を受けた。

 輸送実験は、ドローンサービス提供のA・L・I・テクノロジーズ(東京)、一般社団法人・空の駅協議会(東京)、AOIエネルギーソリューション(福井市)の協力を受け、織田地区の中山間地の集落が孤立したとの想定で行った。

 ドローンには重さ約1キロの非常食や医療品のほか、360度撮影の監視カメラ、衝突回避用センサーを搭載。高速のLTE通信回線を使い、離着陸以外は自動飛行した。

 人工芝ホッケー場を飛び立ち、中継点を経由した後、40分後に織田コミュニティセンターに着陸。その後ホッケー場まで戻った。飛行速度は時速約18キロで、高度は最大で地上約140メートルだった。

 町は5月にも実用化に向けた計画を立て、年内にあと2回輸送実験を行う方針。今後は、町民が生活する集落までドローンを飛ばし、より実践的な実験とする予定。町の担当者は「ドローンの技術的な部分はクリアできている。配送コストや飛行ルート、職員の運用や電波状況を検証していきたい」と話していた。

 政府は現在、住宅地や人の往来のある地域でのドローン使用は、地上から飛行ルートを見張る人がいる場合などに限り認めている。22年度をめどに規制を緩和し、住宅地などでも遠隔飛行を可能にする機体の認証制度と操縦者の免許制度をそれぞれ創設する方針。