臨時記者会見で感染予防対策の徹底を呼び掛ける杉本達治知事=4月21日、福井県庁

 4月21日明らかになった福井県敦賀市内の小学校での新型コロナウイルス感染拡大は、県内の小中学校で初めてのクラスター(感染者集団)となった。13人の感染は、高校を含め一つの学校内での発生としては最も多い。第4波で主流になっている変異株は、従来株に比べ、全国的に子どもの感染が目立つ。マスク着用など対策を尽くしても拡大を食い止められる保証はなく、保護者や教員の間に衝撃が走った。

 21日発表の児童12人は全員無症状。杉本達治知事は会見で「一斉に見つかったのは(早めの検査で)先手を打っている結果」と説明したが、保護者の間には動揺が広がっている。感染した児童の同級生の保護者は「子どもたちは必ずマスクをして、給食も前を向いて食べている。対策しているのに、これほど広がるのか」と驚きを隠さない。

 県は学校内で感染が拡大した可能性が高いとみて、調査を進めている。敦賀市教委の担当者は「対策の徹底を通知して何度も注意喚起してきた。対策をずっと取ってきているのになぜなのか」と声を落とす。

 厚生労働省に助言する専門家組織の20日の会合で示された資料によると、変異株の患者数(19日時点1477人)に占める年代別の割合は10代11%、10歳未満8%。従来株(13日時点50万8067人)での割合の10代7%、10歳未満3%をともに上回っている。

 ベースとなる変異株の患者数がまだ少なく、従来株と大きな変化はないという指摘もある。ただ、県の担当者は「これまでは家族の中で子どもだけは感染しないケースが多かったが、第4波は子どもも一緒に陽性になる事例が珍しくない」と印象を明かす。

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 福井市内のある小学校長は「いつ(学校に)ウイルスが入ってくるか戦々恐々としている」と打ち明ける。校内では3密(密閉、密集、密接)を避けるため、さまざまな対策を続けている。「児童はマスクを着け、給食も黙々と食べている。学校も消毒や換気などやれることはやっているが、変異株の感染速度などを聞くとやはり怖い。基本的なことを徹底するしかない」と話した。