本尊が見守る中、奉納された「糸崎の仏舞」=4月18日、福井県福井市糸崎町の糸崎寺

 奈良時代から続くとされる国の重要無形民俗文化財「糸崎の仏舞」が4月18日、福井県福井市糸崎町の糸崎寺で奉納された。金色の仏面を着けた舞人が、太鼓やかねに合わせ、舞を披露。今年は33年ごとの本尊の本開帳から17年目の中開帳に当たり、訪れた人は厳かな雰囲気に浸った。

 仏舞は756年、中国の僧侶が千手観音を同寺に安置した際、大勢の菩薩ぼさつや天女が喜びを舞で表現したことが始まりとされる。現在は地元住民でつくる保存会が2年に1度、4月18日に舞を奉納している。開帳の年は本来、数日間にわたり奉納されるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大を考慮し1日のみとした。

 前日からの悪天候のため、場所を例年の境内の石舞台から観音堂に変更。午後1時ごろ、雅楽の演奏とともに舞人らが登場した。黒い法衣をまとった8人が、円を描くように動きながら、ゆっくりと手や体を上下左右に揺らし、青い法衣の2人が喜びを分かち合う舞を披露した。
 

 雅楽を奏でた女性(77)は、息子と孫が舞台に上がり3世代で初共演を果たし、「涙が出た。若い人にも伝統を受け継いでもらいたい」と目を細めた。同寺本尊の十一面千手観音像を初めて参拝したという永平寺町の60代女性は「舞も含め、ずっと守り続けられているのはすごい」と感心した様子で話した。