日本郵船の子会社から施設の譲渡を受け、北電などが出資するフレデリッシュが操業する予定の植物工場=4月15日、福井県敦賀市和久野

 北陸電力(本店富山県富山市)などが出資する同社のグループ会社、フレデリッシュ(本社敦賀市和久野)は4月15日、同市和久野に、11月の操業を目指し植物工場を整備すると発表した。3年前に事業撤退した日本郵船の子会社から施設の譲渡を受け、新システムの導入など改良を施し、1日4千株の業務用リーフレタスを生産する。市役所で渕上隆信市長がフレデリッシュの岡義仁社長と懇談し「地元雇用や地域活性化につながると期待している」と述べた。

 フレデリッシュは北電が61%、空調設備などの大気社(本社東京都)が34%、農林中央金庫(本店東京都)が5%を出資し、農産物の生産販売を目的に3月16日に設立した。新工場が1カ所目の拠点となる。

 水耕栽培の工場は延べ床面積約1400平方メートル。7月から生育用のLED照明や空調設備など、国内外で稼働実績がある大気社の生産システムを導入し、10月に完成する予定。地元から約20人を新規雇用する計画。

 フレデリッシュによると、主流のリーフレタスが1株80~100グラムに対し、新工場は約200グラムのレタスを毎日約800キロ生産可能で、主に業務用として他社と差別化を図れるとしている。将来的にサンチュやミズナの生産も視野に入れているという。

 操業後、早ければ今年12月中旬から「Puri(ぴゅり)菜」ブランドで出荷する予定。販路は中京や関西、関東圏などで模索しており、コンビニや飲食店、JAへの販売を目指す。

 投資額は約4億2千万円で、市が2割に当たる約8400万円を補助する見込み。渕上市長は15日、市役所で岡社長に補助金交付指定の通知書を手渡した。岡社長は将来性が高い分野とし「無農薬で雑菌も少なく、昆虫など異物混入もない。事業の採算性はある」と強調。「食の安全に貢献できる。わくわく感を持ってしっかり取り組みたい」と述べた。

 同じ建物で2015年4月から日本郵船の子会社、郵船商事(本社東京都)が操業していた植物工場は品質や販路に課題を抱え、18年3月に撤退した。