シミュレーション動画でポンプシステムを説明する古石准教授=福井市の福井大文京キャンパス

 福井大工学部の古石貴裕准教授(49)らの研究グループが、圧力差などがなくても水分子を移動させることができる新たなシステム実現の可能性をコンピューターシミュレーションで示した。水のはじきやすさを変える特殊な加工を微小なポンプに施し、水分子の流れをつくるという。論文は今年2月に米化学会誌電子版に掲載された。

 研究グループは、古石准教授のほか、慶応義塾大理工学部の荒井規允(のりよし)准教授と理化学研究所の戎崎(えびすざき)俊一主任研究員。

 研究では、直径1ナノメートル(ナノは10億分の1)ほどの筒状のカーボンナノチューブをポンプとして使用し、シミュレーションした。カーボンナノチューブを部分的に加工し、はじきやすさを変えることで水分子の流れをつくり出した。

 この方法は周りの環境に左右されにくく、人工臓器などに応用できる可能性があるという。古石准教授は「温度によって、はじきやすさを変えることができる物質があるので、それを使えば人工臓器を実現できるかもしれない。シミュレーション結果を基に実験が進み、実用化につながれば」と話している。