日本を代表する絵本作家加古里子さんやいわさきちひろさんの故郷、福井県越前市は「紙芝居のまち」。子どもたちも紙芝居を作ったり口演に挑戦したりしています。8月には「全国紙芝居まつり越前市大会」が開かれる予定です。会場の一つになる「かこさとしふるさと絵本館」で3月に口演会があり、紙芝居のまちを盛り上げようと頑張っている子どもたちを取材しました。=学年は当時=

 「おぬしら、一体何者じゃ」「この人…もしかして織田信長?」。戦国時代にタイムスリップするオリジナルストーリーを披露したのは、越前市武生西小6年生のグループです。

 信長が越前一向一揆と戦った時、越前市に拠点を置いたという歴史を下敷きにしています。吉村洸誠君は「起承転結をしっかり考えて作れた。緊張したけど、うまく声を変えて演じられた」と振り返りました。

 口演会には、七つのグループ・個人が参加。同校からは6年生4グループが出演しました。

 この学年は、5年生の時から授業でオリジナルの紙芝居作りに取り組みました。地元の良さを学び発信する総合学習の一環です。

 児童は、地元の寺や加古さんが通った幼稚園を取材しました。紙芝居作家から作り方を教わり、物語を考えて紙芝居にしました。「絵やセリフなど、みんなで協力するといいものができると分かった」と話す長迫ケンジ君。作品は地域の催しや幼稚園などで披露し、地元のことを伝えてきました。

 加古さんの幼稚園を題材に選んだグループは、古い園舎に興味を持った子どもたちが「調べ隊」を結成するという物語を創作。大正期に開園し、園舎が国登録有形文化財に指定されていることなどを紹介しました。地元の偉人や民話を題材にしたグループもあります。小松颯心さんは「自分も勉強になったし、たくさんの人に地域のことを知ってもらえた。人前で発表する自信もついた」と言います。

 担任だった小林清美先生は、子どもたちが発表を重ねるたびに上達していったことに驚いたそうです。「表現の仕方や絵など工夫する点が多く、大勢で知恵を出し合って一つの作品を作る。しかも他人が喜んでくれる」と紙芝居作りの良さを話します。子どもたちは「みんなで作るのは楽しかった。またやってみたい」と口をそろえました。