福井県勝山市内の高齢者らを対象に配布するバス・タクシーや「水芭蕉」の利用券=4月9日、勝山市役所

 新型コロナウイルスの感染拡大で苦戦する交通事業者への経済支援策として福井県勝山市は4月13日、市内のお年寄りらにバス・タクシー利用券などの無料配布を始めた。事業者支援だけでなく、高齢者らを対象に今後始まる新型コロナワクチン接種会場への移動などの支援にもつなげる一石二鳥の取り組み。勝山市環境政策課は「有効活用してほしい」と呼び掛けている。

 2020年度3月補正予算に事業費3053万円を計上した。配布するのはバス・タクシーの利用券4千円分と、勝山温泉センター「水芭蕉」の利用券1回分。タクシーなどの利用券は市内での乗降に限定する。対象は本年度65歳以上になる市民約8700人をはじめ、3月末時点で妊娠中か出産1年以内の女性約150人、障害者約630人。

 利用券は100円ずつ使える。ただ、路線バスは既に運転免許を自主返納したお年寄りや妊産婦は無料で利用できる仕組みがあるため、同課は特にタクシー利用を見込んでいる。「新型コロナで観光客が目減りする中、タクシー事業者は影響も大きい。少しでも利用促進につながればいい」と話す。

 医療政策面の効果にも期待する。市内では5月中旬に在宅高齢者への新型コロナワクチン接種が始まるからだ。個別接種は市内6医療機関、集団接種は市福祉健康センターすこやかで行われる予定で「会場へ足を運ぶために使用してもらいたい」と強調する。

 利用券の有効期間は2022年3月末まで。対象の高齢者、妊産婦に順次郵送する。障害者へは「すこやか」で配布するが、障害者手帳などの提示が必要となる。問い合わせは、市環境政策課=電話0779(88)8104。