小林化工の清間第1工場(右下)と清間第2工場(右上)。川の対岸近くにあるのが本社(左上)=2月、福井県あわら市(福井新聞社ヘリから撮影)

 製造した爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入した問題などで業務停止命令を受けた福井県あわら市の小林化工に対し、福井県と同市は4月12日、工場建設の補助金の交付決定を一部取り消し、加算金を含め計約9億2千万円の返還命令を文書で通知した。同社は同日、補助金約5億6千万円を返した。同日までの加算金約3億6千万円も近く納付する見込み。県によると、企業誘致に関する補助金の返還命令は県内初。

 返還命令が出たのは、2011年と16年にそれぞれ操業を開始した同市清間の清間第1工場と清間第2工場の建設に対する補助金。県は「県内成長企業生産拠点拡大促進補助金」、市は「企業立地助成金」としてそれぞれ6億円(1工場当たり3億円)の計12億円の交付を決定した。

 しかし製造や品質管理で多数の法令違反が判明し、県と市は「違法操業を隠して補助金を受けていた」とし返還を命令。12日に補助金が返還されたことを確認した上で、同日までの加算金を年率10・95%で算定し納付を求めた。

 また、同社は既に着工している同市矢地の矢地第1工場増設と、清間第3工場新設に対しても計12億円の補助金申請の準備をしていたが、県は同日、対象企業の指定を取り消した。

 県は2月、睡眠剤を混入させた矢地工場に6月5日まで116日間、清間工場に4月10日まで60日間の業務停止命令を出した。

 返還命令を受け、同社の担当者は「違法な状態の中で補助金を得てきたことは申し訳ない。補助金取り消しは当然のことで、加算金も速やかに支払いたい」とした。