福井県福井市内の家庭から出されたプラスチック容器包装ごみ。紛れ込んだ異物は手作業で選別されている=福井市二日市町の二日市リサイクルセンター

 「福井市のプラスチックごみはすべて再利用されていると思っていたが、埋められているとも聞いた。最終的にどうなっているの」という投稿が、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に寄せられた。家庭から出たプラごみのうち再利用されるのは「プラごみ」として分別回収されている「プラスチック製容器包装」。それ以外は、焼却後に埋め立てられている。市町村合併の前の名残で、エリアによって「可燃」「不燃」と回収分類が異なっている。

⇒【図解】福井市の家庭から出たプラスチックごみの行方

 福井市は合併前の2003年に再利用できる資源物としてプラスチック製容器包装の分別収集を始め、合併後の07年からは旧3町村(美山町、清水町、越廼村)でも始めた。容器包装ごみは市内の民間リサイクル工場に集められ、プラスチック原料に再生されている。

 容器包装以外のプラごみは、旧福井市と旧美山町では「燃やせないごみ」として回収する。福井坂井地区広域市町村圏事務組合清掃センター(あわら市)で金属類を取り除いてから燃やされ、同市内に埋め立てられている。

 旧清水町と旧越廼村では「燃やせるごみ」で回収、鯖江広域衛生施設組合の鯖江クリーンセンター(鯖江市)で燃やされ、越前町内に埋め立てられている。市の担当者は「旧市町村の収集方法の違いを合併後も引き継いでいる」と話す。

 市は新たなごみ処理施設整備を計画しており、26年度からは容器包装を除くプラごみを市内全域で「燃やせるごみ」に“統一”する方針だ。一方、政府は容器包装以外も含めたプラスチックごみを一括回収して再商品化を促す「プラスチック資源循環促進法案」を今国会に提出している。福井市は「国の動向をみて、一括回収をどのように導入していくか検討する」としている。

 ■ごみに紛れた異物は手作業で選別

 福井市内の家庭から出たプラスチック製容器包装ごみは、民間のリサイクル工場でプラスチック原料に再生されている。ごみに紛れた異物は手作業で選別。発火する恐れのある異物が見つかることもあり、関係者からは分別に一層の協力を求める声が聞かれた。

 福井市二日市町にある福井環境事業の「二日市リサイクルセンター」を訪ねると、大量の容器包装ごみがコンベヤーで流れていた。脇に構えた従業員4人が、ごみに紛れた異物を次々と取り除いていく。スプレー缶に鉄製の鍋、長靴にイヤホン…。これらは容器包装どころか、プラごみですらない。

 異物を取り除いた容器包装は、機械で圧縮し一時保管。光学選別機などを使いポリエチレンやポリプロピレンなどに分別する。その後、粒状のプラスチック原料に加工して福井県内外の成形メーカーに出荷している。

 同社の近藤克彦リサイクル課長(57)が最も恐れるのは、モバイルバッテリーなどが選別しきれないまま圧縮・保管されて火災が起きること。「捨てた後に思いをはせ、分別に協力してほしい」と話してくれた。

 ◇プラスチック製容器包装 プラスチック製の弁当容器や生鮮食品のトレーなどの「容器」と、菓子やパンの袋やレジ袋など「包装」の総称。「プラ」の識別マークが付いている。容器包装リサイクル法は、消費者に分別排出、市町村に分別収集、事業者にリサイクルの役割をそれぞれ位置付けている。

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