福井県の高付加価値企業誘致推進補助金

 新型コロナウイルスの感染拡大を機に企業が本社機能を地方に分散させる動きが広がる中、福井県は本年度から企業誘致の新制度を創設する。補助金の要件で雇用人数や投資額を問わず、都市部と同じ給与水準を維持した場合などに手厚く支援する。県によると、こうした仕組みは全国唯一という。

 県の従来の補助制度は、一般製造業の場合、「投資額10億円以上、新規雇用者30人以上」といった条件を満たすと土地取得費や工場建設費などの10%を補助している。本年度以降はこうした制度を維持しつつ、別制度で新たに「地域経済牽引(けんいん)事業枠」を創設する。

 新制度では嶺南Eコースト計画や県民衛星プロジェクト、小浜市に設ける水産学術産業拠点など、県が重点的に取り組む施策に協力する企業を対象に、業種や投資額、雇用者数の条件をなくし、30億円を上限に25%補助する。「規模が小さくても高付加価値を生む魅力的な企業に訴求する」(企業誘致課)狙いだ。

 また、県内にサテライトオフィスを設ける企業には、雇用人数が3人以上なら投資額は問わず、1500万円を上限に土地建物賃借料などの50%を補助する。

 さらに、都市圏と同等の給与水準を維持して本社機能を県内に立地した場合や、社内にカフェテリアや授乳室など社員ファーストの環境を整備した場合は補助率を上乗せする。若者や女性が働きやすい企業を誘致し、県内人材の定着やU・Iターンを進めたい考えだ。

 コロナ禍の中、全国の各自治体は企業誘致の取り組みを加速させている。地域間競争の激化が見込まれる中、県の吉川幸文産業労働部長は「全国どこにもない優位性の高い補助制度」とした上で「営業活動にしっかり取り組み、福井の将来に役立つ企業の誘致につなげたい」と話している。