福井県の感染指標

 福井県内の新型コロナウイルス対応病床の占有率が4月8日現在で28・2%(72床)となり、県独自基準の「緊急事態」に当たる「25%(64床)以上」に達した。感染者全体の増加に加え、長期の経過観察が必要となる変異株の感染が3月中旬以降に拡大したためだ。県は「医療機関の負担を軽減したい」として同日、軽症者向けの宿泊療養施設での受け入れを約2カ月ぶりに再開した。

 変異株は3月18日に県内で初確認された。3月に入ってからの感染者94人のうち36人を占め、クラスター(感染者集団)が発生した高齢者施設の患者を除けば、割合は58%に上る。多くが関西地域由来とされる。

 厚生労働省の指針に基づき、県は変異株の患者の退院基準を厳格化。症状が軽くなって24時間経過した後にPCR検査を24時間以上の間隔を空けて2回行い、連続での陰性確認を求めている。このため、入院期間が従来の「2倍以上になることもある」(県幹部)という。

 3月上旬に2床まで減った病床使用数は1カ月足らずで70床超となり、第1~3波のピーク時に近い。直近1週間の新規感染者数は44人と現在発令中の「警報」の目安「おおむね30~40人」にとどまっているものの、8日の会見で県の窪田裕行健康福祉部長は「毎日の数字を注視しながら次のステップ(特別警報)に移行すべきかどうか議論していきたい」と緊張感を漂わせた。

 第4波の感染の中心となっている嶺南。ある病院の担当者は「今後、ワクチン接種とコロナ患者への対応が重なると、職員の負担が一層増すのでは」と懸念する。別の病院も「まだ逼迫(ひっぱく)している状況ではない」としながらも増床に向けて準備を始めているという。

 宿泊療養施設の利用は2月4日以来で、この日は1人が病院から移った。窪田部長は「陰性確認を待つ人や無症状の人が宿泊療養施設に移るケースは今後増えるだろう。その準備も進めている」と話した。