5月に始まるアスピカの「どこでもセレモニー」では、ウェブ上で香典や供物の決済ができる=4月7日、福井県福井市二の宮4丁目の同社本社

 新型コロナウイルス感染拡大を背景に、福井県内の葬祭業でオンラインサービスを導入する動きが広がっている。感染リスクを避け参列を控える遠方の関係者に向けた葬儀のライブ配信や、香典のキャッシュレス決済など、故人との別れの新たな様式を提案している。

 創業95年目のオームラ(福井市西木田3丁目、大村直央社長)は昨春、コロナ禍に対応し新サービス「O-LINK(オーリンク)」を開発した。遺族専用のホームページ(HP)を作成し、関係者にURLを送付。通夜、葬儀の様子をウェブ上でライブ配信する。遠方でも別れの時間を共有できる。

 今年3月には機能を拡大し、HP上での供物や弔電、香典の受け付けを始めた。大村社長は「コロナの不安だけでなく、さまざまな事情で参列できない人がいる。形式は変わっても、送る心は変わらず残したい」と話す。忌中の法要なども配信可能という。

 アスピカ(福井市二の宮4丁目、渡辺恒治社長)は5月から、専用HPを使った新サービス「どこでもセレモニー」の運用を始める。香典は金額を選択でき、香典返しも金額に応じた商品やカタログギフトを選ぶことができる。決済を終えるとパスワードが発行され、会葬の配信映像や故人の写真などを閲覧できる。SNSなどで訃報を簡単に共有でき、葬祭に掛かる遺族らの負担を軽減する狙いもあるとしている。

 担当者によると、感染拡大防止のため家族葬を選択する人が増加傾向にあるが、「故人をしのぶ友人や知人と話し合う時間がないのはさみしい」との声も多いという。「葬儀は一度しかない別れの場。関係者に実際に参列してもらう形は大切に残しつつ、新しい選択肢の一つとしてサービスを提案できたら」と話している。