【論説】セレクトショップ大手のビームス、高級チョコレートで知られるゴディバジャパン。福井県がブランド力のある企業とコラボレーションした商品が、東京都内で相次ぎ発表された。福井を舞台にした青春スポーツ小説「2.43 清陰高校男子バレー部」とのコラボも、アニメ化に伴い本格始動。福井県の魅力を発信する取り組みが進んでいる。

 自治体と企業のコラボは商品開発、イベント開催、連携協定の締結など多岐にわたる。福井県は2009年にカジュアル衣料品店「ユニクロ」とのコラボTシャツを発売するなど、10年以上前から取り組んでいる。地域の魅力を発信する手段として新味はないが、そのブランドのファンに確実に情報を届けることができる利点がある。

 ビームス、ゴディバジャパンとのコラボは、若い女性がターゲットだ。ビームスとは24年春の北陸新幹線敦賀開業をにらみ、これまで不十分だった若い女性に対する発信を強化するのが狙い。「FUKUI TRAD(ふくいとらっど)」のブランド名で、現代のライフスタイルに合った伝統工芸品を開発した。

 強気の価格設定だが、品切れの商品が出るなど売れ行きは好調という。女優でアーティストの「のん」さんが参加したデザイン、ビームスのブランドの力が大きいが、本物の良さが評価されたと言える。

 ゴディバジャパンとのコラボは、ジェローム・シュシャン社長が曹洞宗大本山永平寺に魅了されたことが縁。「禅」をテーマにサラダやスープなど、福井県の食材を使ったメニューを開発し、JR東京駅のゴディバカフェで期間限定販売した。

 清陰高校男子バレー部とのコラボは、ファンへの高い訴求力が期待できそうだ。声優たちが福井の魅力を会員制交流サイト(SNS)で発信。作品の舞台となった県内各所を紹介する「聖地巡礼マップ」を、アニメの公式サイトで公開している。

 これらを単発の事業に終わらせず、継続した取り組みにつなげたい。「消費者にハッピーを届ける」ことを理念に掲げるシュシャン社長は、幸福度日本一の福井県と共通点があるとして、今後のコラボに前向き。福井県は伝統工芸などでの連携を検討中であり、今後の展開が楽しみだ。

 さらにいえば継続だけでは物足りない。魅力を知った人たちが福井県を訪れてくれて、意味ある事業と言えるのではないか。どうコロナ後の誘客に結びつけるかにも知恵を絞りたい。