街灯が点灯せず、夜になると暗くなってしまうサン二の宮通り=3月28日午後10時ごろ、福井県福井市二の宮2丁目

 福井県福井市北部を走る市道幾久地蔵堂線(通称・サン二の宮通り)の「街灯が点灯しておらず、歩くのが怖い」という声が、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に寄せられた。福井市によると、街灯は付近の商店街振興組合が設置したものだが、資金不足で点灯されなくなり再開のめどは立たない。福井市が新たに街灯を設置するとなると、一般的には自治会などの要望を受けて判断するが、一帯は集合住宅が多く自治会活動が活発でないという。専門家は「行政への要請は自治会の機能の一つ。住民同士が町の課題を話し合える関係をつくっていくのが大切」と話す。

 街灯は福井市二の宮1丁目交差点から二の宮交差点にかけて、道の両側に計45基付いている。だが、遅くとも昨年2月には点灯されなくなった。飲食店やコンビニなど店舗が多く、午後9時ごろまでは照明で明るいが、店が閉まり出すと途端に暗くなるという。

 週に1度、通り沿いのダンス教室に通う50代女性は、午後9時半ごろに徒歩で帰る際、「とても暗く、足元がでこぼこで危ない」という。付近の70代女性も「暗くて怖いから、夜はできるだけ外出していない。今すぐにでも街灯を点灯させてほしい」と訴えた。

 福井市監理課によると、街灯の設置義務を定めた国の明文はなく、自治会などから要望があれば同道路課が設置するかどうか判断している。監理課ではこの通りについて「街灯が消えているのは知っていたが自治会からの要望は出ておらず、店舗が多く暗くはないと考えていた」としている。不安や危険を訴える住民の声は伝わっていない。福井市明新公民館の前館長によると「通り沿いはマンションやアパートが多く、他に比べて自治会活動が活発でないところもある」という。

 自治会活動などに詳しい仁愛女子短期大学の内山秀樹教授は「自治会への帰属意識は年々薄れてきている。特にマンションなどは防犯や建物の維持・管理もしっかりしているため、より希薄になる」と指摘する。「個人で行政に意見を届けるよりも、自治会からの方が公の意見として受け入れてくれる。普段から住民同士が積極的にコミュニケーションを取って、自治会へ意見を集約していくことが大事」と提言する。

 一方、市監理課は今回の取材を通じて状況や住民の思いを知ったことから「現場で危険性を確認し、街灯を設置するかどうか検討していく」と答えた。

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