巣から顔をのぞかせるコウノトリのひな2羽と、親鳥のみやびちゃん=4月2日、福井県越前市安養寺町(古木仁さん提供)

 福井県越前市と福井県は4月2日、同市白山地区の安養寺町の人工巣塔に営巣した国の特別天然記念物コウノトリのペアの卵がふ化し、県内で今年初となるひな誕生を確認したと発表した。少なくとも2羽がふ化したとみられる。県内での野外コウノトリのひな誕生は3年連続。

 ペアは、2016年に同市坂口地区で放鳥した雄「たからくん」と、同年に兵庫県豊岡市で生まれた雌「みやびちゃん」。3年連続で白山地区に飛来し、同じ巣塔で産卵した。19年には県内の野外で55年ぶりとなるひなが誕生し、20年にもひなをふ化させて4羽が巣立ちを果たした。

 市によると、ペアは1月末ごろから巣作りし、繁殖行動を活発化。2月24~25日に産卵が始まり、同27日に本格的な抱卵に入ったと推定していた。3月31日に親鳥がひなに餌を与える吐き出し行動が複数回見られ、1日にひなの姿を映像で確認した。順調に育てば、5月下旬以降に巣立ちを迎える見通し。

 白山地区で3年連続となるひな誕生に、コウノトリをシンボルにした地域づくりに取り組む「水辺と生き物を守る農家と市民の会」(水辺の会)の恒本明勇会長(74)は「住民みんなで豊かな自然を取り戻してきた成果。さらに活動の励みにしたい」と喜びをあらわにしていた。

 市はペアやひなを刺激しないよう巣から150メートル以上離れ、マナーを守って観察するよう呼び掛けている。