CDが全国発売された武生商業高校・武生商工高校の吹奏楽部=3月30日、福井県越前市の同校

 「日本一ファンキーな吹奏楽部」と呼ばれる福井県の武生商業高校・武生商工高校吹奏楽部が、CDデビューを果たした。音楽出版社が制作する国内トッププロによる吹奏楽シリーズの新作に起用された。新型コロナウイルスの影響で発表の機会に恵まれなかった2020年度を乗り越えての全国発売を、生徒たちは「多くの人に聞いてもらえることに感謝したい」と喜んでいる。

 植田薫教諭率いる同高吹奏楽部は、歌って踊る熱い演奏が持ち味。18年度まで6年連続で全日本コンクールに出場するなど実力は折り紙付きで、演奏会では会場と一体となるパフォーマンスが聴衆の心をつかんできた。

 福井県内の高校の吹奏楽部によるCDが、自費出版ではなく全国発売されるのは初めて。出版社「ロケット・ミュージック」からオファーがあり、「究極の吹奏楽」シリーズの「植田薫&武商吹部編」として制作。植田教諭が編曲した1970年代以降のソウル、ファンクの名曲など12曲を収録した。

 レコーディングは、昨年11月に越前市いまだて芸術館で2日間掛けて実施。部員約60人が演奏し、楽しげでパワフルなサウンドを詰め込んだ。米国人ドラマーのマーティー・ブレイシー、ジャズブラスバンド「BLACK BOTTOM BRASS BAND」もゲスト参加している。

 3月3日に定価税込み2800円で発売。アマゾンのサイトでは、発売前からクラシックランキングで1位を獲得するなど注目を集めた。植田教諭は「ファンキーな吹奏楽、というジャンルを開拓してきたのが認められた」と受け止める。

 「レコーディングは緊張したけれど、わくわくしていい経験になった」と話すのは部長の女子生徒(3年)。昨年春の定期演奏会は、新型コロナの影響で延期した後に開催できたものの、規模を縮小し客数を制限した。全日本コンクール福井県予選は中止となった。「お客さんに聞いてもらえる機会が少なかったから、CDを通じて多くの人に幸せを届けたい」と願っている。