試食用に中国へ発送した福井米のパックご飯

 福井米の消費拡大を狙い、福井県などは3月30日、中国・北京市でパックご飯の試食を始めた。コメの国内需要が縮小する中、人口14億人を抱える巨大市場での販売への足掛かりにしたい考え。担当者は「大きな需要が見込め、チャレンジする価値はある」と期待を寄せている。

 試食は本格的な輸出に向けた調査とPRを目的に、県などでつくるふくい食輸出サポートセンターが実施。福井パールライス(本社福井市)の県産コシヒカリのパックご飯6千個を北京のショッピングセンターに送った。31日までショッピングセンターが試食を行う。

 県によるコメの輸出はこれまで香港、シンガポール、タイで実施している。中国は精米や燻蒸を指定工場で行わなければならないなど規制が厳しいため、基準をクリアしやすいパックご飯を送ることにした。

 現地では地元産のコメが日本産の3分の1程度の価格で売られているが、県の担当者は「高品質な日本のコメを食べたい消費者は一定数いる」とみており、試食時にアンケートを行い需要を見極めたい考えだ。

 財務省の貿易統計によると、パックご飯の輸出額は2017年が約3億4千万円、20年は約6億5千万円と大きな伸びを見せる。便利で高品質なコメを求めるアジア圏で特に伸びており、新型コロナウイルスによる自宅での食事機会増加も拍車を掛けているとみられる。

 政府もコメの輸出拡大に向け中国を「戦略的輸出ターゲット国」に特定し、市場の開拓を後押しする方針。パックご飯の輸出は富山の企業などが中国向けに生産規模を拡大させるなど、全国各地で活発化している現状だ。

 ふくい食輸出サポートセンター事務局の県農林水産部流通販売課の担当者は「今回の試食を踏まえ、輸出時の手続きなど課題を整理し継続的な取引へつなげていきたい」と話していた。