文部科学省の「#教師のバトン」プロジェクトの公式ツイッターの投稿画面

 学校現場の働き方改革などの好事例を会員制交流サイト(SNS)で現職教員が発信する文部科学省の「#教師のバトン」プロジェクトに賛否が飛び交い、「炎上」を招いている。魅力を伝えたいとの企画意図とは反対に「やりがい搾取」など過酷な実態の訴えが目立つ。専門家は「現場と温度差がある。文科省はネガティブな声を受け止めるべきだ」と話す。

 企画は、長時間労働の改善例や情報通信技術(ICT)を活用した授業実践例など前向きな内容を投稿するよう呼び掛けるもの。「ブラック」とのレッテルが貼られ、志望者が減少していると指摘される学校の仕事だが、魅力も多いと学生らに伝えるのが狙いだ。

 だが、26日のスタート直後から、ツイッターでは「『教える仕事』以外に忙殺されている」「小手先の策で魅力が増すと思っているなら、そんなめでたいことはない」などと深刻な労働環境を指摘する投稿であふれた。文科省には、現場の訴えに耳を傾けて改革を後押しするよう求める意見が出た。

 文科省は投稿例として「校内の先生自慢」「業務改善のためのちょっと一工夫」などを提示。実際に「週に1回は昼から帰れるように時間割を組んでもらった」といった前向きな報告もあった。

 学校現場に詳しい名古屋大の内田良准教授(教育社会学)は「文科省の投稿例は『キラキラ感』が満載で違和感がある。部活動の縮小など国として仕事を減らす方法を考えるのが先だ」と指摘。その上で具体的な働き方改革の事例が共有できれば、プロジェクトは機能すると予想する。

 「炎上」を受け、萩生田光一文科相は30日の閣議後記者会見で「前向きな意見も、明日にも辞めたいという意見もある。学校の厳しい勤務環境が明らかになった」と発言。「願わくば、先生なのでもう少し品の良い書き方をしてほしい」と付け加えた。