乗務員なしで本格的な営業運行を始めた自動運転車=3月25日、福井県永平寺町荒谷

 走行中の安全確認をほぼシステムに委ねる「レベル3」の自動運転車を使った本格的な営業運行が3月25日、福井県永平寺町内の遊歩道「永平寺参ろーど(まいろーど)」の一部区間で始まった。乗務員のいない完全無人化での営業運行は国内初で、同町の担当者によると「世界的にも先進的」という。同町荒谷で出発式があり、関係者はテープカットをするなどして門出を祝った。

 レベル3で完全無人化するのは、東古市―志比の約6キロ区間のうち、国道などとの交差部がない荒谷-志比の約2キロ区間。この区間では昨年12月、運転席を無人化して乗客への応対を担う保安要員のみが乗り込み、遠隔監視室の担当者がモニターなどで走行時の安全確認をする「レベル2」での有料運行を始めた。

 その後、保安要員をなくすため監視室からの車内への音声案内に不具合がないことなどを確認。緊急車両のサイレンを感知して自動的に停止する装置を装備するなど安全性も向上させ、5日に国の認可を受けてレベル3へと移行した。今後は警報レベルの大雨といった悪天候時などを除き、監視室の担当者は発進指示や監視カメラによる乗客の乗降時の安全確認などのみを担う。

 出発式には関係者約80人が参加。同町の河合永充町長が「これがゴールではなく便利で安全な移動手段となるためのスタートだ。国などと連携を密にし、先を目指す」とあいさつ。さらに車両の高度化などを図る決意を示した。

 東京の自動運転車イベント会場からの中継であいさつした江島潔経済産業副大臣は「高齢化が進む中、ドライバー不足などの社会課題解決に向けて取り組んできたことの成果が実った」と述べた。

 この後、河合町長や杉本達治知事らが自動運転車の乗り心地を確かめた。杉本知事は「この取り組みが日本中に広がるといい」と期待を寄せた。

 自動運転車は平日は参ろーどの全区間、土、日曜と祝日は荒谷-志比間を運行する。平日は国道との交差部などがある区間も運行するため、当面は運転席に乗務員が座る。一般向けの「レベル3」の運行は27日からとなる。

 料金は1回の乗車で高校生以上100円、小中学生50円、未就学児無料。運行ダイヤなどの問い合わせは、町が運行を委託するまちづくり会社ZENコネクト=電話0776(63)3900。