救助されたカヤック2艇(2021年3月・左:福井県美浜町、右:福井県敦賀市)

元気ですかーっ!!
元気があればなんでもできる。
元気があれば、海で安全に遊べる!(元気が無くても安全に!)
いくぞーっ!1!2!3!・・・

ということで、暖かい日が多くなりすっかり春になってきました。
春は、釣りには絶好の季節ですが、海上では注意しなければならないことも。
それは、春先に南から吹き付ける強風のことで、その年に初めて吹く南風を「春一番」と呼びます。
福井県を含む北陸地方でも、今年2月20日に春一番を観測したと発表されましたが、春先は気圧配置の影響からこのような南よりの強風が吹くことが多く、先日、敦賀海上保安部の管内で、この「春何番目か」によるシーカヤックの海難事故が立て続けに発生したので、みなさんに注意していただけるよう紹介するん・・・ダァーーー!!

2021年3月中旬、福井県敦賀半島北側の沖合で早朝からカヤックに乗って釣りを楽しまれていた男性(20代)から、午前10時半ころ、118番通報が寄せられました。
内容は、「陸からの風が強まり戻れなくなった。沖1kmあたりで漂流しており助けてほしい」というもの。
差し迫った危険はないということでしたが、当日は「海上強風警報」が発出されいて、南からの風が次第に強まり「春○番」が吹くような状態で、いつ危険な状態になるか分かりません。
敦賀海上保安部からは、「巡視船ほたか」が緊急出港して男性の救助に向かいます。

と、救助対応に追われていたところ、午前11時ころ、「カヤックに乗っているが風が強くて帰れない。助けてほしい」と、別の男性(40代)から先ほどのものとほとんど同じ内容の118番通報が寄せられてきました。
こちらの男性も早朝から美浜町沖合にてカヤックで釣りをしていたそうですが、「春○番」の影響で陸に戻れなくなったということでした。

カヤックが帰還できなくなるという事故が相次ぎ、若干混乱します・・・。
1件目の事故の救助に巡視船がまだ対応しているため、2件目の事故の男性の救助は民間のボランティア救助団体「水難救済会」に所属する地元漁船に出動を要請し、結果として、どちらのカヤックも巡視船と地元漁船にそれぞれ救助され、無事最寄りの漁港に搬送されたのでした。

救助後にそれぞれの男性に事故の経緯を聴いたところ、どちらも
「天気予報を確認して今日は次第に風が強くなることは知っていたが、午前中だけなら大丈夫だろうと思って出港した。風が強くなってきたので陸に戻ろうとしたけど、時すでに遅く、南の風で沖に流され、陸に向けて進まなくなってしまった」
と説明し、まさかのシンクロ。
そして、救助と調査を終えた海上保安官が撮影したカヤックの写真を見てビックリ!
事故に遭った両方のカヤックは同メーカー同型と、こちらもシンクロしていたのでした。
きょ、驚異のシンクロ率・・・。

しかし、まじめな話、これが海の恐いところ。
天候の変化が恐ろしく速いので、「まだ大丈夫かなぁ・・・」という気持ちでズルズル続けていると、今回のお二人と同じように“時すでに遅し”となることが多いんです。
天気予報を確認する“だけ”ではなく、無理をせず荒れる予報があるのであれば、「やめておく」判断をすること、そういった潔さを持つことが、海を安全に楽しむ秘訣です。

ですが今回、どちらのカヤックの男性も、アンカー(錨のこと)をちゃんと積んでいて、帰れないと判断した後、それ以上流されてしまわないようにと機転を利かせてアンカーを降ろしたということ。それと、しっかりと連絡手段を確保して緊急時に「118番」に通報していただけたということは、良い部分でシンクロしていたと言えるでしょう。

これから、ゴールデンウィークにかけては、春のマリンレジャーシーズン真っ盛り!
誰も恐い思いをするために海に来る人なんていないはず。
「やめる」という勇気を持ちつつ、良いコンディションのときには、1、2、3、ダァーーー!っと、思いっきり楽しんでください!

私はというと、今まさにピークのヒノキ花粉で、“ヒノキ、ボンバイエ”状態。
少し元気はありませんが、海の安全のために頑張ります!!(敦賀海上保安部・うみまる)