2020年の発掘調査で見つかったトカゲの左上あごの化石(福井県立恐竜博物館提供)

 福井県立恐竜博物館は3月22日、福井県勝山市北谷町杉山の約1億2千万年前(白亜紀前期)の地層から、トカゲの上あごや下あごの化石が発見されたと発表した。国内で同年代のトカゲは福井市などで七つの新種が確認されているものの、今回の化石はどれとも形状が異なり、同館は「新種の可能性が高い」としている。

 同日、同館の柴田正輝主任研究員らが発表した。

⇒【写真】2009年の調査で見つかったトカゲの後頭部の化石

 2020年の発掘調査で長さ20ミリの左上あごの化石が発掘された。これを契機に過去の調査や、同じ地層の岩石を用いた野外恐竜博物館の発掘体験で見つかった化石をあらためて調べたところ、09~19年の産出物から左下あご2点と後頭部1点の化石を確認した。あごの化石には歯も残っていた。

 これら4点のうち、特にあご部分の3点の化石に着目して研究を進めた。この結果、国内で発見されたほかのトカゲ化石に比べて▽歯が大きい▽歯の数が少ない▽あごの骨に厚みがある―との特徴があり、新種の可能性が高いと判断した。

 種の特定に向けて柴田主任研究員は「モンゴルやウズベキスタンで見つかった化石とは類似しており、それらとの比較、検討を行っていきたい」と説明。さらに現在クリーニング途中の化石や、21年度以降の調査で「追加標本の発見に期待できる」とした。

 このほか20年の調査で得られた発掘成果についても合わせて発表した。トカゲ化石を含め、肉食恐竜の歯や骨など約2200点が見つかった。

 トカゲ化石は3月23日から同館1階の化石クリーニング室隣で展示する。