福井県内で1月に実施された県模試。1週間前にはSNSで解答が販売されていた

 福井県内の高校生が受ける県模試(福井県連合模試)の問題や解答が、会員制交流サイト(SNS)で売買されている。福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に「不正に高得点を取る人がいると、まじめに受けている人が大学入試で損をするのでは」と不安の声が寄せられた。高校生諸君、心配ご無用。県内で県模試の成績を調査書(内申書)や指定校推薦の選考に反映させることはないという。つまり、不正に高得点をとっても無意味で無駄だ。しかも法律違反の可能性がある。

 県模試として使われているのは、教育大手ベネッセが実施している進研模試(ベネッセ総合学力テスト)。同社によると、全国で各回平均40万人が受験している。ツイッターで「#進研模試ネタバレ」と検索すると、県外で受験を済ませたとみられる問題や解答を販売するアカウントが、いくつも表示された。

 iTunesカードやAmazonギフト券などで支払い、問題や解答は画像データでやりとりすることが多いようだ。値段は全教科で1500円程度。「業界最安値」「実績70回以上!」とアピールする例もある。県内で1月23、24日に実施された高校2年の模試は、1週間前の16日からネット上に出回っていた。

 県模試は問題や解答の表紙に「福井県連合模試」と記載されている。スマホのフリーマーケットアプリを見ると、県模試の売買も確認でき、県内高校生の関与も疑われる。

 県模試は高校持ち回りで事務局を設置して実施日程を決めている。「ベネッセの定める全国統一実施日が基準となるが、部活動などの行事に応じ、1週間程度前倒ししたり後ろ倒ししたりすることがある」と本年度事務局の武生高の担当教諭。前倒しした場合もベネッセ側と協議の上、当日に解答を配布することがあるという。

 「問題などの事前入手は昔からあった問題。それがSNSの普及で目立つようになっている」と事務局の教諭。不正の余地があることを教員は知っているだけに「入試に影響する通知簿や調査書に、外部業者の模擬試験を反映させることなどあり得ない。同様に指定校推薦の選考や、奨学金の受給にも影響しない。学校にも説明責任が求められる時代。教員の常識、共通認識だ」という。

 県立・私立の高校でつくる県高校校長協会会長の松田透・藤島高校長は「不正に高得点を取って、大学入試に有利になると考える人がいれば、それは誤解」とし「模試は生徒自身が自分の実力を知り、指導する教員が弱点を把握するためのもの。結果ではなくむしろ受験後の復習が重要なのだと生徒には考えてほしい」と話している。

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