制圧訓練に励む海上保安官

みなさん、突然ですが「戦う」と「闘う」の言葉の意味の違い、知ってますか?
私は何となく理解していたつもりだったんですけど、改めて意味を調べてみました。

「戦う」は、勝敗や優劣を競うこと。
「闘う」は、困難などに立ち向かうこと。
だそうです。
つまり、実際に相手がいて互いに力、技、知恵などを用いて優劣を競うときのように直接的に争う場合には「戦」を、今まさしく世界中の人々が新型コロナウイルス禍の困難や障害に打ち勝とうと努めているような、観念的に争う場合には「闘」を使うんですね!

ですが、直接競う場合でも「決闘」とか「格闘」とか、「闘」の字を使いますよね。
あぁ、日本語って難しいなぁぁぁ・・・

おっと!取り留めのない長い前置きすみません!
みなさん、あまりイメージがないかもしれませんが、海上保安官って“戦う”んです。
海上の犯罪取り締まりを業務のひとつとする海上保安庁ですが、現場では何時どんな凶悪犯と対峙することになるか分かりません。
そのため海上保安官は、犯人を制するための訓練に励み、「制圧競技」としても切磋琢磨して技を競っています。

「制圧競技」とは、わかりやすく説明すると、柔道、剣道、空手、合気道等々、様々な格闘技の要素が取り入れられたもので、剣道に用いられるような防具を身に付けて、警棒などを模した用具や手足による打撃技、投げ技などによって、有効打の得本数で勝敗を決するものです。
そもそもの「制圧競技」の目的が、相手を“倒す”ことではなく、相手を“制する”ことなので、剣道のように「面」を狙うような技はなく、「肩・胴・小手」が有効な打突部位となっています。
海上保安庁では、海上保安官の制圧力向上のため、制圧競技の大会が開催されることもあり、このような競技を通して日々鍛錬し、相手を制圧する様々な技術を培っていきます。

実は私うみまる、海上保安官が行う制圧訓練の指導に当たる「制圧指導官」なんです。
つまりは「制圧技術の専門家」。偉そうですみません。
私は元々柔道の経験者なんですが、海上保安庁にはこのような格闘技経験を活かす場もあるんです!!

海難救助のスペシャリストである潜水士が「海猿」ならば、戦いのスペシャリストである制圧指導官は「海獅子」とでも言っておきましょうか。かっこいいですよね!
ん?英語で「Sealion(シーライオン)」は「アシカ」のことだって?・・・ちょっとイメージ違うなぁ・・・笑

最近は、コロナ感染拡大防止のため、面の下にマスクを付けたり、面の上からラップフィルムを巻いて制圧訓練を行っているのですが、これがめちゃくちゃ息苦しい!!
ただでさえ面の内側は圧迫感があるのに、そのうえ呼吸まで制限されるとなると、とんでもないストレスなんです。
つまり海上保安官は、新型コロナウイルスの脅威と“闘”いながらも、「制圧競技」を通して“戦”うことによって、安全安心な海を守るために“闘”っているんですねぇ!
日本語、合ってますよね?笑(敦賀海上保安部・うみまる)