同性婚訴訟の札幌地裁判決後、「違憲判決」と書かれた紙を掲げる原告の弁護士と支援者ら=3月17日午前11時34分、北海道札幌市

 国が同性婚を認めないのは「違憲」と判断した3月17日の札幌地裁判決を受け、福井県内のLGBTQ(性的少数者)からは「社会が私たちを認めてくれた」「きっとだめだと思っていたから、心が動かされた」といった声が聞かれた。「大きな一歩」と、初の判断に涙する人もいた。

 「LGBTQでも好きな人とずっと一緒にいればいい、普通に暮らしていい、家族になればいいと認められたのだと思う」と語ったのは、子宮と卵巣を摘出し性別を変えた県内の20代のトランスジェンダーの男性。自身は2019年に女性と結婚しており「手術をしてまで戸籍変更はできないという人にとっては、本当に良かった」と喜んだ。

 判決を聞き思わず涙を流したのは、ゲイ(男性の同性愛者)でLGBTQに関し発信しているユーチューバーのかずえちゃん(38)。「個人個人ではいろいろな意見があるが、司法として『(現状が)おかしい』と言ってくれたのはすごく心強い」と声を震わせた。「同性同士でも家族をつくる権利が認められる、大きな一歩」とした。

 トランスジェンダーの山口初さん(63)は「同性婚が認められなかったのは、憲法14条が定めた法の下の平等に反していたということ。今後は(婚姻は両性の合意のみに基づき成立するとしている)憲法24条に代わる法律、仕組みが必要」と訴えた。ただ、同性婚が法的に位置付けられるまでには時間がかかるとし「各自治体はパートナーシップ制度の導入を進めるべきだ」と述べた。

 差別や偏見に苦しむLGBTQは多く、中には自ら命を絶った人もいる。県内のトランスジェンダーの女性(20代)は「『天国の仲間、きょうの判決見てますか』という他のLGBTQのツイッターを見て、胸が締め付けられた」。一方で「歓迎ムードの反動で、同性婚に反対し攻撃されるのが怖い」と不安も吐露した。

 LGBTQの支援団体「エリー福井支部」のメンバーで、仁愛大学人間学部の織田暁子准教授は「判決は同性カップルに特別な権利を認めるというものでなく、男女間では当然の権利が認められたということ」と評価した。