なぎなた女子団体に挑む鯖江の選手。試合ではマスクを着用し、フェースシールドをはめ込んだ面をかぶる=福井県の鯖江高校

 「やあっ!」。「はぁ、はぁ、はぁ」。なぎなた女子団体に出場する鯖江の部内戦。威勢のいい掛け声とともに荒い息づかいが聞こえる。新型コロナウイルス対策で試合中はマスク、さらに口元を覆うフェースシールドをはめ込んだ面を着けている。選手たちは息苦しさという敵とも戦いながら一本を狙う。

 昨年11月の県予選ではマスク、シールドとも必要なかったが、全国選抜大会で着用が義務付けられた。早く慣れようと、出場権を獲得した直後から練習でも着けてなぎなたを振ってきた。

 「最初は素振りをするだけでもすぐ息が上がった」と吉澤万桜(1年)は振り返る。ランニングや筋力トレーニングの時も常にマスクを着け、体力と心肺機能を鍛えた。

 激しく動くとマスクがずれる。面を着けている時は簡単には直せない。高溝遥風(同)は「すごく気になる」と負担に感じる。特殊な環境で迎える今大会。青山月音(同)は「不安は大きい。でも慣れていくしかない」と前を向く。

 男子個人戦に臨む山本晃大(丹南2年)は2月末からシールドをはめた面で練習する。シールドが息で白く曇ることが悩みだ。得意のすね打ちを仕掛けようと視線を落とすと、はっきり見えない。堀智美監督のアドバイスで、大会は曇り止めを塗って挑む。山本は「できる限りの対策をして臨みたい」と力を込める。その上で「どの選手も条件は同じ。マスクやシールドのことに惑わされることなく、しっかりと目の前の相手に集中したい」と前を向く。

 選抜大会では、剣道がマスクとマウスシールドを義務付けたほか、フェンシングも顔を覆う防具の内側に、口元を覆うシールドの装着をルール化した。シールドは、専用の型紙をA4サイズのクリアファイルに入れて切り抜いて作る。北陸高校の元川伸一監督によると、選手は一人一人手作りし、本番を想定して3月8日ごろからシールドを付けて練習しているという。

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 全国高校選抜大会が3月19日から各地で始まる。昨年は新型コロナウイルスの影響で全競技が中止となり、開催は2年ぶり。活躍を期す選手を取り上げる。