行政代執行による解体が作業が始まった空き家=3月15日、福井県坂井市丸岡町長畝

 福井県坂井市は3月15日、築60年以上が経過して倒壊の危険性が極めて高い、同市丸岡町長畝の工場兼住宅の建物について、空き家対策特別措置法に基づく行政代執行での解体を始めた。費用は165万円。市によると、行政代執行による解体は県内2例目で、同市では初めてとなる。

 空き家は木造瓦ぶき2階建て、延べ床面積は222平方メートル。建物は傾いて屋根は破損し、壁には穴があって剥がれ落ちるなど危険な状態にあった。

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 県道瓜生今福線と市道が交わる幹線道路に面し、小中学校の通学路にもなっている。1995年ごろから空き家で、市は2014年に長畝地区区長会から「危険で撤去してほしい」との要望を受け、翌15年に保安上の危険がある「特定空き家」に認定。県外在住の所有者に自主的に安全措置を取るよう指導したが適切な対応がなされなかった。

 このため特措法に基づき「助言・指導」「勧告」と段階を踏み、昨年11月20日に建物を除去する「命令」を行った。命令の措置期限は昨年12月15日で、2月10日には代執行令書を所有者に郵送した。所有者から「連絡や回答は一度もない」という。

 15日は午前10時から現地で北出泰章都市計画課長が代執行宣言をし、業者が崩れた木材を撤去し、解体に向けた足場作りを始めた。1週間程度で完了する予定。市は行政代執行法に基づき解体費用を所有者に請求し、対応がない場合は財産調査などを進めていく。

 市内にはほかに13件の特定空き家を認定している。同課は「危険な空き家は、所有者に危険回避の措置を自主的に講じてもらうよう、引き続き強く指導していきたい」としている。