福井県内の中学柔道部の部員数と部数

 福井県内の中学校の柔道部員が激減している。この10年間で男女とも半数近く減り、部の数も2割減。福井市では足羽中学校が本年度での廃部を決め、市内の公立は明倫、光陽、国見の3校だけになる。安全対策を徹底しているものの、けがが多いイメージは根強い。競技関係者は「魅力発信に一層力を尽くす」と話す。

 国見中学校は2008年度に軟式野球部と女子バレーボール部を休部し、運動部は柔道と卓球だけになっている。全校生徒16人の半数が柔道部所属だ。駐在所勤務を経て地区に移住した県警福井南署の安川洋樹警部補(42)が無償で指導に当たり、専門教諭がいなくても部が成り立つ。

 同校体育館では畳の上で男女部員が「乱取り」に精を出す。「技を磨くのは楽しい。礼儀も学べた」と主将の2年男子生徒。自身も大学で柔道に励んだ渡邉俊範校長は「心技体を鍛えるスポーツ」と存続を願う。

 柔道部を取り巻く現実は厳しい。福井県中体連の統計では、10年度の柔道部員は男女計345人だったのに対し、20年度は195人と44%減った。少子化による生徒全体の減少率13%よりはるかに大きい。この間に部の数は39から30に減り、77から72となった剣道や、他の運動部に比べ減少率が突出している。高校の柔道部も減少傾向にあり「危機的状況だ」と指導者は口をそろえる。

 背景に「けがが多い」とのイメージがあるという。12年度に中学の体育で武道が必修となったこともあり、部活動や授業での重大事故が問題視された。このため全日本柔道連盟が初心者の大外刈りの使用は入部5カ月後から、試合出場は6カ月後からとするなど規定を設けた。県内では柔道部顧問が年4回集まり最新の指針を共有している。

 効果は表れている。スポーツ庁によると柔道の授業・部活動中の事故は減少し、17、18年度の中学での死亡事故はゼロだった。部活動での事故総数は、陸上や野球、サッカー、バスケットボールより少ない。

 福井県連盟は阿部一二三、詩きょうだいら東京五輪代表勢への注目を追い風に、競技者の拡大を目指す。川口稔理事長は「安全対策や指導者の資質向上に地道に取り組んでいく」とした。