福井県内の原発15基の状況

 嶺南に原発15基が集中立地し「原発銀座」とも呼ばれた福井県。2011年3月の東京電力福島第1原発事故以降、日本原電敦賀1号機をはじめ関西電力美浜1、2号機、高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)など計7基が廃止措置に入っている。一方、関電の原発は新規制基準に適合した4基が再稼働した。再稼働を目指す運転開始から40年を超える3基は、県と県会の同意が焦点となっている。

 原子炉等規制法で原発の運転期間は原則40年に制限されているが、原子力規制委員会の認可を受ければ20年を限度に1度だけ延長できる。県内では関電美浜3号機と高浜1、2号機の3基が認可を受けた。地元同意について、杉本達治知事も県会もスケジュール感はないとしている。仮に再稼働すれば福島事故後、国内初の40年超運転となる。

 原子力のパイオニアだけに、県内は全国に先駆けて本格的な廃炉時代を迎えている。最も新しい関電大飯4号機も既に運転開始から28年たっており、最長となる60年間運転したとしても、32年後には今ある県内原発は全て廃炉になる。

 日本原電は2015年11月、敦賀2号機の新規制基準適合性審査を規制委に申請した。しかし原子炉建屋直下に活断層がある可能性を指摘されており、審査は進んでいない。敦賀3、4号機は04年に国に原子炉設置変更許可を申請し、国の安全審査と敷地造成などの準備工事が始まった。10年3月に敷地造成は完了したが、福島事故を機に国の安全審査と準備工事は中断。現在は敷地の維持管理を続けている。

 原発を運転する上で大きな問題が使用済み核燃料。関電には中間貯蔵施設がなく、サイト内にたまり続けている。3原発11基で保管中の燃料は約3400トン。現役の7基が運転を続けると5~9年でサイト内の燃料プールは満杯になる。関電は青森県むつ市の中間貯蔵施設を共同利用する案を「選択肢の一つ」として県に提示。23年末までに立地地点を確定させるとしているが、実現は不透明だ。

 福島事故後は県内原発の安全性を問う訴訟が相次ぎ、再稼働した大飯3、4号機や高浜3、4号機の運転を認めないとする司法判断が計4例出た。16年3月に大津地裁が高浜3、4号機の運転差し止めを命じる仮処分を決定し、営業運転中だった3号機が停止。上級審で判断は覆ったものの、稼働中の原発が止まる全国初の事態となった。昨年12月には大阪地裁が大飯3、4号機の新規制基準下での設置許可を取り消し、大阪高裁で係争中。