小林化工の本社=福井県あわら市

 製造する爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入し、業務停止命令を受けた福井県あわら市の小林化工は3月10日、福井県に業務改善計画を提出した。小林広幸社長や総括製造販売責任者が辞任し後任は社外から招聘(しょうへい)するなど経営陣の刷新や、法令順守の教育訓練、製造・品質管理体制の再構築などを進めるとした。

 同社では国の承認書に沿った製造指図・記録書と異なる「現場フロー」と呼ばれる手順書を用いた法令違反の製造管理や、虚偽記録の作成が横行。品質試験の一部未実施や結果ねつ造など多数の法令違反が確認されたが、経営陣は長年黙認していた。

 改善計画では▽承認書と製造実態との齟齬(そご)の解消と現場フロー撤廃▽定期的な工場巡視▽原料取り間違い防止のためダブルチェックやバーコードによる確認徹底を進める―などとした。品質試験関係では、試験者の再教育や、無作為抽出した記録のチェックを行う。

 医薬専門家らによるコンプライアンス委員会を新設し、取締役会に対し改善計画の実行に関し提言する。法令違反に気付いた場合の内部通報窓口も設ける。同社広報担当者は「今後予定される、外部調査委員会による原因分析や再発防止策の提言を踏まえ、計画も見直していく」としている。

 福井県は医薬品医療機器法に基づき2月9日、同社に対し116日間の業務停止と、法令順守の体制構築を求める業務改善命令を出した。県医薬食品・衛生課の辻正宏課長は「改善を実行に移すことが大事で、立ち入り調査も含めしっかり確認していく」と述べた。

 同社によると、睡眠剤が混入した医薬品を服用した245人から意識消失や記憶喪失、ふらつきなど健康被害の報告があり、70代女性と80代男性の2人が死亡した。