鯖江市役所=福井県鯖江市西山町

 東京五輪・パラリンピックを機に、事前合宿などで海外選手らと地元住民が交流するホストタウン事業について、福井県鯖江市が中国の体操男女代表の受け入れを断念したことが3月8日、関係者や市への取材で分かった。新型コロナウイルスの影響で、「訪問や交流は困難」と両者が一致した。市は代替案として、大会期間中にパブリックビューイングなどで中国代表を応援する方法を考えている。

 鯖江市は、2017年7月に中国のホストタウンとして登録。20年4月に予定されていた体操のアジア選手権に合わせて、中国男女代表の東京五輪事前合宿を計画し、5日間の日程で合宿のほか、練習の一般公開や代表コーチを招いたジュニア選手の練習会などを検討していた。しかし新型コロナの感染拡大で選手権が中止となり、合宿の中止も決定。五輪の1年延期を受け、ホストタウン事業の新たな内容を模索していた。

 関係者や市によると、昨年11月に東京で開かれた体操の国際大会で、中国体操協会トップと日本体操協会全国地域委員長の小竹英雄・福井県体操協会副会長らが受け入れについて協議。「(コロナ禍での)鯖江訪問は難しい」と、中止の方向で一致したという。今年2月、鯖江市長名で「実施可能な方策を考えたが、中国選手の安全確保を考えると、万全な体制で受け入れるにはさまざまな困難が予想される」などと正式に受け入れを断念することを通達し、中国側も了承した。中国側からは「五輪に関係なく、今後も交流はできる」との返答があったという。

 小竹氏は「本音を言えばさみしい。ただ、コロナ禍の中、いつまでも(選手受け入れを)やるとは言い続けられない」と話した。

 ホストタウンは、福井県内では鯖江市を含め4市1町が登録しており、福井市がスロベニア、大野市は東ティモール、敦賀市はポーランド、越前町はカナダとの交流を計画している。福井県スポーツ課によると「(鯖江市以外の)他の市町で中止などは聞いていない」としている。