福井県庁=福井市大手3丁目

 大学入試で高校が提出する生徒の調査書に本年度の出席状況を記入する際、福井県内の高校で、発熱などで出席停止扱いとなった生徒を一律に「コロナ感染症の疑い」と記す学校があることが3月8日、取材で分かった。県立藤島高校(福井市)では全学年の生徒計百数十人が表記され、入試に臨んだ生徒には面接官に感染したことがあるかのように尋ねられた例もあった。同校の松田透校長は「結果的に生徒や保護者にご迷惑をおかけし大変申し訳なく思っている」と謝罪。福井県教委は「誤解を生みかねない表記で適切ではなかった」と指摘している。

 同校によると、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、本年度は発熱や体調不良、感染防止のため欠席する際は、欠席扱いにならない「出席停止」とするよう文部科学省から通達があった。出席停止扱いとした際には理由を併記する必要があり、同校は感染の有無や欠席日数に関わらず「コロナ感染症の疑い」と表記すると決めた。

 同校の担当者は「通常は単なる発熱では出席停止にならず、違いを明確にするためだった」と説明する。

 保護者から、生徒が入試の面接で「調査書に書いてある」として感染を確認された旨の問い合わせが県教委に寄せられたという。この保護者には松田校長と県教委の担当者が事情を説明した。

 同校の担当者は「結果として大学側が誤解し大変困惑している。生徒や保護者には何の落ち度もなく申し訳ない」と話し、今後は出席停止の理由にコロナの文言を使わない表記を検討する方針。面接時にコロナ感染を確認した大学側に対しては、「今後、何らかの形で(抗議の意思を)伝えたい」とした。

 福井新聞の調べでは、出席停止の理由を「発熱等」「登校自粛」などと表記している学校がある一方、藤島高と同様の表記をしている学校もあった。県高校教育課は表記は各校で判断しているとした上で、藤島高の表記について「言葉だけでは感染の有無が分からず、もう少し丁寧に書くべきだった」と指摘。県立高校に対し適切な表記の在り方の通達を今後検討する。