宅配業務に励む福井ワイルドラプターズの筒井翔也内野手=福井県福井市内

 野球の独立リーグ、ルートインBCリーグの福井ワイルドラプターズは今季、選手との契約関係を抜本的に見直す。9人の主力を除いて報酬をなくし、副業で生活費を稼ぎながら一部を球団運営費として提供してもらう。新型コロナウイルス禍でスポンサー獲得が厳しい中、選手にも協力してもらい「自立する球団」を目指す。

 昨季までのBCリーグの規定では、練習生を除く全選手にシーズン中10~40万円の月額報酬を支払い、この間の副業は禁じていた。福井球団から提案を受けルールを改定。選手をA、B契約に分け、B契約は0~40万円と無報酬を可能にするとともに、シーズン中の副業も許可した。

 今季の福井はA契約9人、B契約十数人、残りは練習生で計40人ほどの体制を見込む。B契約以下は無報酬とし、大手宅配業者と委託契約を結ぶことで副業先を一括確保。昨秋に業務を始めた。4月10日開幕のシーズン中も2日に1度のペースで選手自身が車で荷物を運ぶ。

 前身チームを含め福井球団3年目の筒井翔也内野手(20)は現時点でB契約。昨季は36試合に出て打率1割5分で「実力が足りない。球団運営の苦しさも理解できる」と受け入れた。チームロゴの入ったTシャツ姿で住宅地を回ると声を掛けてもらうこともあるという。「必死に頑張ってA契約を目指す」と話した。

 BCリーグと共に日本独立リーグ野球機構をつくる四国アイランドリーグplusも足並みをそろえ規約を改定した。両リーグのチームでB契約を検討する球団はあるものの、ゼロ報酬制を本格的に導入するのは福井だけとみられる。

 小松原鉄平社長はスポンサー獲得に全力を尽くすとした上で「人材不足の宅配業に従事することで、地元球団として社会貢献にもつながる。戦力、魅力を高める努力を最優先に前進したい」とした。