小舟渡駅前の斜面が崩落し、岩や土砂で線路が埋まったえちぜん鉄道勝山永平寺線=3月2日午後3時45分ごろ、福井県永平寺町

 えちぜん鉄道勝山永平寺線の小舟渡駅周辺で発生した土砂崩れで、勝山―山王間の運行再開に約2カ月かかるとの見通しが3月5日、福井県から示され、沿線自治体は4月末からの大型連休を控え観光面の影響を懸念した。生活の足となっている利用者は落胆し、早期復旧を望む声が相次いだ。

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 民間事業者が勝山駅から県立恐竜博物館に独自の直行バスを運行するなど、えち鉄は勝山市内観光の要の一つ。勝山市の水上実喜夫市長は同日、杉本達治知事に早期復旧を要望した後、記者団に「大雪が終わってこれからという時期。一日も早く復旧し、ゴールデンウイークに間に合ってほしい」と話した。河合永充永平寺町長も「観光に大きな影響が出てくるのではと思う。しっかりと調査し、関係機関との連携を取りながら対策に努めたい」とした。

 勝山市のある幹部は「車を利用しない観光客を市内へ導くのに重要。早期の運行再開とともに、斜面の補強も万全を期してほしい」と県やえち鉄に注文した。

 運休区間は代行バスがあるものの、運行は不定期。福井市から勝山高校へ通学する男子高校生(16)は「(4日は)バスの待ち時間が約30分あった。授業に間に合わないことがあったらどうしよう」と不安げだった。永平寺町内への通院に利用する勝山市の無職女性(84)は「代行バスだと勝山駅から帰宅に使う路線バスの発車時刻に間に合わない。早く何とかしてもらいたい」と話した。

 えち鉄の担当者は「県が行う土砂の撤去が終わり次第、線路や設備の復旧ができるよう準備を進める。早期の運行再開に努めたい」としている。