野球部員の食事を作る寺田清治さん(右)=福井県敦賀市の「友食亭あいびす」

 第93回選抜高校野球大会に出場する福井県の敦賀気比ナインの体づくりを食事面でサポートした男性が敦賀市にいる。熱烈な敦賀気比ファンで、冬の土日の練習中に温かい食事を振る舞ってきた。「たくましくなった姿を甲子園で見せてほしい」と試合を心待ちにしている。

 飲食店「友食亭あいびす」=同市古田刈=を切り盛りする寺田清治さん(76)は、夏の甲子園大会で4強入りした2014年から敦賀気比を応援。全国制覇した翌年春の選抜大会は、決勝以外は甲子園で観戦した。練習や練習試合にも頻繁に足を運び選手を見守っている。店には東哲平監督や野球部の保護者らもたびたび訪れる。

 野球部に食事を提供するようになったのは19年冬から。全体練習後の自主練習に励む選手たちは、土日の昼食以降は寮での夕食時間の午後7時まで食事を待たなければならなかった。そこで、体重増のため野球部父母の会が冬場に練習中の「補食」を企画し寺田さんに依頼。現チームも小柄な選手が多かったことから継続し、昨年11月~今年2月の土日の午後3時ごろに食事を提供してもらった。

 メニューは、短時間で食べられる丼が中心。肉をメインに野菜もたっぷり入れ、栄養バランスもありボリューム満点。飽きないようにと、肉団子の和風丼やトマト煮込みのミートボール丼など工夫する。

 食事提供最終日の2月28日のメニューは「豚ひき肉とキャベツの甘辛丼」。紅白戦を終えた選手たちは手を休めずほおばり、おかわりをする部員も。ひと冬で体重が8キロ増えた大島正樹主将は「冬場は体を大きくしようと取り組んできたのでありがたい。種類もいろいろあっておいしかった」と感謝する。

 「採算は度外視」と笑う寺田さん。パワーアップしたナインの活躍が何よりの楽しみだ。「1回戦を勝ったら勢いに乗るはず。優勝したときの感動をもう一度味わいたい」と、23日の常総学院(茨城)戦を待ちきれない。