福井県の電子割引クーポン「ふく割」が利用できる飲食店=福井市内

 福井県が消費喚起を目的に実施している電子割引クーポン「ふく割」が、決済手段として利用が広がっている。約3500店舗がキャンペーンに参加し、県の試算では消費喚起効果は約17億円に上る。新型コロナウイルス禍で「非接触型」の生活様式が浸透する中、新年度以降も機動的にクーポンを発行し、消費を下支えする方針。

 ふく割は、新型コロナの影響で落ち込んだ経済支援策として1月16日に事業を開始。登録店舗で5千円以上の買い物をし、QRコードを読み取ると千円引きになる。

 2月末時点で県民の約2割に相当する15万4484人がアプリをダウンロードした。2月25日の県議会一般質問で、吉川幸文産業労働部長は国内有数のQRコード決済アプリ「ペイペイ」が利用者数を国民の約2割まで伸ばすのに1年以上要したことに触れ「(ふく割は)ハイペースで登録が進んだ」と強調した。

 県内の小売業、サービス業、飲食業約1万店舗のうち、約3500店が参加登録。コロナ禍で打撃を受けた衣料品や飲食、眼鏡の各店舗で利用できる「業種限定」も含め、2月末時点で約33万8500枚の割引クーポンが利用されている。

 参加登録店からは「週末を中心に来店者が増え、ワンランク上の商品を購入してもらっている」(眼鏡販売)、「追加注文につながっている」(飲食店)などおおむね好意的な声が聞かれ、“ついで買い”を誘発する効果が上がっている。

 「ふく割」アプリに関しては当初「仮登録のメールが届かない」「使いづらい」といった声が寄せられたため、県は2月中旬にアプリを改良、使い勝手を向上させた。新年度以降、アプリの利用方法を周知するなどし、高齢者ら“IT弱者”の利便性を高める。

 県は2月補正予算案に「デジタルバウチャーを活用した消費喚起事業」として3億円を計上。県民の消費傾向などのデータを蓄積し、業種やエリア、対象者、期間などを限定して配信できる電子割引券の特徴を生かし、臨機応変にキャンペーンを展開していく。