新たに導入した乳房検診車で撮影したデジタル画像を確認する放射線技師

 福井県内の各市町が実施する乳がん検診を担う県健康管理協会(福井市真栗町)は、乳がん検診で撮影した画像をデジタル管理するシステムを導入した。従来、集団検診で撮影した画像はフィルムで管理してきたが、デジタル化することで過去に撮影した画像と比較しやすくなり、検診精度の向上や迅速化などが期待される。

 同協会は、マンモグラフィー(乳房エックス線撮影装置)を備えた乳房検診車3台を活用し、県内市町による乳がんの集団検診(例年1万2千人前後)を全て担っている。1台を最新のデジタル撮影装置を備えた検診車に更新したのに合わせ、データ管理も一部デジタル化した。

 乳がん検診で撮影した画像は、読影医と呼ばれる医師2人がダブルチェックする。結果データは県民健康センターのシステムに入力。受診者には「異常なし」もしくは「要精密検査」の結果が通知される。

 新システムではデジタル画像データを「ワークステーション」と呼ばれるサーバーに取り込み、専用USBメモリーを媒体にして医師に読影を依頼する。受診者ごとに過去の画像データを自動添付でき、比較しながら読影しやすくなる。読影医が過去画像との比較が必要と判断するたびにフィルムを届けていた手間が省け、結果通知までの迅速化にもつながる。デジタル化が先行している医師側の負担も軽減されるという。

 同協会が依頼している読影医は現在、県内22医療機関の約45人。当面は嶺北の10医療機関の医師向けにデジタル画像データを活用し今後、範囲を広げていく。

 一方、導入した検診車では高画質で撮影でき、乳腺の中にカルシウムが沈着した「石灰化」が見やすく、画像を拡大しやすい。フィルム撮影時の現像トラブルによる撮り直しがなく、撮影時間も短縮される。この新型車両による検診からデジタル化を進める方針。

 県内の40歳以上の乳がん検診(2年に1回)の受診率は40%台後半で伸び悩んでおり、新型コロナウイルスの影響による検診控えで鈍化することも懸念される。同協会の担当者は「デジタル化による検診精度の向上に加え、検診車内での撮影を全て女性技師が担当するなどの工夫を重ね、受診率アップを図っていきたい」と話している。