福井鋲螺細呂木事業所の工場屋根に設置された大規模太陽光発電設備(同社提供)

 電気自動車(EV)向けなどの精密部品を製造する福井鋲螺(本社福井県あわら市)は、北陸電力グループの脱炭素化を支援する新たな事業スキームの契約第1号となり、同市内の細呂木事業所の工場屋根に大規模太陽光発電設備を設置し、3月1日から工場の使用電力に充てる運用を始めた。自家消費型の太陽光発電設備では北陸最大級という。

 脱炭素化で普及が期待されるEVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの自動車分野は、世界的に製造過程でも脱炭素化が求められてきている。同社はSDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)の取り組みの一環で、2030年に二酸化炭素(CO2)排出量30%削減(13年比)を掲げている。

 北陸電グループが19年度導入した脱炭素化の事業スキームは、敷地が広く電力消費の多い工場を持つ企業を対象に、太陽光パネルを設置し、工場に供給した電力量に応じて料金を受け取る仕組み。北陸電の関連会社が発電設備を所有して設置費も負担。脱炭素化ニーズへの対応のほか、従来の電気料金の契約よりも割安になる。

 細呂木事業所の工場屋根に設置した太陽光パネルは2418枚で、設備容量は約822キロワット。初年度の自家消費発電量は84万7千キロワット時を想定し、同事業所の年間使用電力量の約11%を賄う。これによって見込まれるCO2排出削減量は年約422トン。同社がこれまで省エネ対策などで進めてきた13年比の排出削減率約10%に加え、5%が上乗せとなる。

 同社はさらに細呂木事業所内の別工場や、石川県加賀市、羽咋市にある工場にも太陽光パネルを設置する方針。打本純也専務は「世界的なEV化の流れの中、欧州では製造過程でのCO2排出規制も検討されている。今回の取り組みを機に環境に優しい生産体制をさらに強化し、EV向け部品の生産を拡大していきたい」としている。