就活が本格的し、エントリーシートをキャリア支援課の職員(奥)に見てもらう就活生=3月1日、福井県福井市の福井大文京キャンパス

 福井県では2月中に対面形式の大規模な業界研究会が相次いで開かれた影響で、解禁日の3月1日には合同企業説明会は開催されず静かなスタートとなった。ウェブ上では、県内企業103社が参加する「WEB合同企業説明会」を県が始め、参加企業はオンラインで事業内容などをPRした。

 2022年春の新卒者を対象とした会社説明会が1日解禁され、県内でも就職戦線が本格化した。全国では新型コロナウイルス禍で企業の採用意欲にブレーキがかかる中、県内では高い求人倍率を背景に「売り手市場」は変わらず活動の早期化も鮮明だ。オンラインでの採用活動が中心となり中小企業は「学生との接点が少なく、母集団(興味を持ってくれる学生)の確保が難しい」と、アピールに腐心している。

 「売り手市場を背景に、企業側の動きに拍車が掛かっている」。県内大学の就職支援担当者がそう指摘するように、既に内々定を出した企業もあるとの情報を耳にするという。

 県内の有効求人倍率は、全国1位の水準が継続。県が1月に県内企業を対象に行ったアンケートによると、75%が前年の計画並みの採用を予定する。県定住交流課は「業種にもよるが総じて採用意欲は高い」とみる。

 「少子化の傾向は変わらず、企業は将来の経営資源として新卒の採用には積極的だ」と、県立大の担当者。実際、コロナ禍に見舞われた21年春卒業予定の学生の内定率は、例年並みに持ち直しつつあるという。

 社員数40人ほどの県内商社の採用担当者は「昨年の計画は4人だったが、採用できたのは2人。説明会が中止となり、母集団が小さくなった」と嘆息する。22年卒も4人の採用を目指し「世代交代を図り、事業を継続していくためにも若い人を入れたい」と話す。

 ◆対面も重視

 企業の新卒獲得競争が激しい中、大学などの就活イベントは早期化している。2月の段階で各大学はオンラインによる業界研究会を開催、県なども対面での大型研究会を相次ぎ開いた。

 一方の企業側はコロナ禍での就活にウェブと対面を組み合わせるなど工夫を重ねている。

 建材製造販売の井上商事(福井市)は、昨春断念した東京、名古屋での採用を再開する予定だ。説明会や工場見学の動画など、オンラインを駆使して学生に情報を届けている。担当者は「ウェブを活用しつつ、一度は対面の機会を設けたい」と話した。

 「昨年から面接をオンライン化し、遠方の学生にも参加してもらいやすくなった」と話すのは、全国から学生を募る三谷商事(福井市)の担当者。ただ「合同説明会で、学生がふらっと立ち寄るような気軽さがない」と、接触の機会が減る懸念があるとした。

 福井銀行(福井市)も昨年同様、オンラインを軸とした採用活動を継続。担当者は「直接会わない分、見極めが想像以上に難しく、学生側も不安な気持ちが大きい」と話す。このため、県内に2週間以上滞在した学生らに対しては本店ビルでの説明会も開き、最終面接はできる限り対面で行う考えだ。