クラスごとに内容を決めた研修旅行で、マスクを着けてスキーを楽しむ武生商業高校の2年生=2月、福井県勝山市のスキージャム勝山(同校提供)

 新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を受け、福井県内の高校で修学旅行の中止が相次いでいる。県教委などによると、3月1日までに県立私立全体の半数以上の21校が中止を決めた。感染状況の先行きが読めない上、来年度の受験や就職活動への影響を考慮すると「悔しいが、もう後ろに延ばせない」と教員からは苦渋の声が聞かれる。一方、行き先や日程を変更したり、別の催しを企画したりする学校もある。思い出づくりの機会を何とか確保しようと、各校の教員や生徒は知恵を絞っている。

 県内高校の修学旅行は2年時に行われ、例年6月または10月頃に沖縄や九州などに向かうが、新型コロナの影響で、本年度はほとんどの学校が12月~3月に先送りした。しかし昨年11月頃から再び感染者数が全国的に増加。年明けには11都府県に緊急事態宣言が発令されたこともあり、中止の判断が増えている。

 昨年12月中旬に広島県などを訪れる予定だったあわら市の金津高校は、訪問先で感染者が急増したため、直前で中止を決めた。「生徒みんなの心をケアするため、代わりに何かできないか」。生徒会が中心となり、同月にビンゴなどのレクリエーションを企画した。各担任教諭の協力を得て準備したクイズでは、「先生がプロポーズのとき渡したバラの本数は?」など、プライベートに迫る出題で盛り上がったという。

 生徒会長の西龍成さんは「修学旅行の中止を聞いたときは悲しかったし、友達もショックを受けていた。でも学年全体で(レクを)楽しんでもらえてうれしかった」と振り返った。

 行き先を県内とし、2月に1泊2日で研修旅行を実施した越前市の武生商業高校。中止を含め、日程や行き先などについて保護者と生徒にアンケートを行った。県内での実施を疑問視する意見もあったが、保護者からは「単に中止でなく、何か思い出に残る行事を」との声が上がり、「行き先を県内に変更しても研修旅行に行きたい」という生徒が多かったという。

 例年より規模が縮小されるため生徒たちが意見を出し合い、クラスごとに行き先や活動内容を決めた。▽奥越でスキー▽嶺南でスケート▽嶺北でイチゴ狩り-など、生徒はそれぞれの旅程を楽しんだ。学年主任の橋本靖子教諭は「(生徒が)主体的に内容を決めたことで、満足度も高かったのかなと思う。楽しそうな姿が見られて良かった」と目を細めた。

 3月中旬に県内で1泊を予定する福井市の県立高校は、バスを各クラス2台としたり、宿では1部屋の人数を定員の半分としたり、新型コロナ感染予防対策に余念がない。同校の2年学年主任の教諭は「学校行事は生徒の成長につながるもので、特に修学旅行は宿泊を伴う特別な行事。何とか行かせてやりたい」と教え子たちを思いやった。