キッチンカーが出店するようになった福井県の福井市中央公園。市は公園使用料を46年ぶりに引き上げる条例改正案を定例市会に提案した=2月22日、同市大手3丁目

 福井県の福井市は、都市公園の使用料を最大2倍超に値上げする条例改正案を3月定例市議会に提案した。1975年の条例施行以降、46年間にわたり据え置いてきたが、市公園課は「収益を確保し、少しでも公園の維持費に充てたい」として、同規模自治体の水準に引き上げて収入増を図ることにした。可決されれば4月1日から施行する。

 現行の使用料(いずれも1平方メートル当たりの1日利用額)は、コンサートやイベントなどの興業が22円以内、キッチンカーや露店などの出店が11円、展示会や博覧会などが5円以内。

 改正案は興業を24円、出店を20円、展示会を11円に引き上げる。市会で可決されれば、展示は2倍超、出店は2倍近い値上げ幅となる。

 人口や市民1人当たりの公園面積が似ている他の中核市の平均に合わせた。市公園課によると比較したのは4市で、このうち北海道函館市の出店使用料は17円、福島市は25円。4市以外では金沢市が44円だという。

 対象は、都市計画区域内にあり市が管理する市中央公園など393公園。市は値上げにより年間約40万円の増収を見込んでいる。20年度の使用料収入は今年1月末時点で約21万円。

 市公園課は「他自治体を参考に使用料を適正化し、適正な歳入を確保して魅力ある公園の整備を進めたい」としている。

■出店者ら戸惑い

 福井市内の公園使用をめぐっては、新型コロナウイルス感染拡大の影響から密の状態を避けようと、キッチンカーの出店やイベントの開催が増加。今回の使用料アップを受け、出店者らに戸惑いが広がっている。一方で使用の際には自治会の許可などさまざまなハードルがあるとあって、あるイベント主催者は「使用料を引き上げるなら、公園が使いやすくなるよう使用方法も見直して」と注文した。

 キッチンカーは「3密」を防げ、家賃などの固定費を抑えられるため、新型コロナ感染拡大後に全国で出店が増えている。福井市内でも、昨年夏ごろから市中央公園で平日の昼にキッチンカーが並ぶようになり、ベンチに座って食事をしくつろぐ男女の姿が見られるようになった。

 2020年7月からホットドッグ店を出店している男性(39)は、米国のスクールバスを改造した「フードトラック」を出店しており、夏場は机、椅子の置き場所として1日約40平方メートルを使ってきたため、条例が改正されれば1か月で約1万円の値上げとなる。「値上げは初耳。中央公園は市役所職員や近隣の会社員などニーズが高いが、出店場所の見直しを検討しないといけないかも…」と困惑する。

 中央公園でのイベント開催状況をみると、「人が集まる空間の形成」を基本目標に掲げた同公園の再整備が終わった2018年8月以降、民間による開催の動きが広がってきた。19年7月には野外音楽祭「ワンパークフェスティバル」が始まり、キッチンカーや露店が並ぶ「フクイキャッスルマーケット」も同年から定期的に開催。20年10月からは、福井の食材を使った料理と酒を楽しめる「ナイトマーケット」も始まった。

 フクイキャッスルマーケットの実行委員の男性(49)は「そもそも公園の利用は禁止事項が多い」と指摘する。市公園課によると使用する場合、▽公園設備に支障をきたさない▽原状回復▽条例の順守▽自治会の許可など計八つの条件を満たせば許可する。さらに山下さんによると、▽水道設備が設置されていない▽閉園時間が設定されている-など公園によってさまざまな制約があり、イベントの企画は一苦労だという。「開かれた公園にするため使用方法の見直しも検討してほしい」と指摘した。