原発活用についてのアンケート

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故10年に当たり、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」など地方紙が協働で取り組む企画「#311jp」のエネルギー政策・原発アンケートで、福井県内、県外とも4割近くの人が、この10年間で原発の廃止や縮小を望むように考えが変わったと回答した。長期停止や廃炉で原発の活用が減り、再生可能エネルギーの新たな選択肢も示される中、脱原発を考える人が増えつつある状況がうかがえる。

 地方紙14紙が募り全都道府県の6248人がインターネットで回答した。福島県を含む原発立地13道県は1914人(うち福井県334人)、非立地都府県は4334人。無作為抽出の世論調査とは異なる。

 原発活用について、この10年間の考えの変化を聞いたところ、全国で最も多かったのは「今も変わらず反対」で44・8%。「賛成だったが一定程度縮小してもよい」12・3%、「賛成だったが今は反対」10・2%、「賛成でも反対でもなかったが反対に傾いている」13・9%で、震災後に否定的考えに変わった人が計36・4%だった。「今も変わらず賛成」は8・3%。肯定的に変わった人は計5・2%だった。立地道県、非立地都府県で大きな違いは見られなかった。

 福井県では「変わらず反対」「変わらず賛成」がともに2割強。考えの変化は全国と同傾向で、否定的に変わった人が計37・2%、肯定的に変わった人が計6・6%だった。

 今後の原発政策は「すぐにでも廃炉」「積極的に廃炉とし脱原発を急ぐ」が全国で計6割超。既存原発を活用しながらも原則40年の運転期間延長を認めず将来的に脱原発を望むという回答が2割超。運転延長を含めて既存原発の維持と、増設や建て替え容認を含めた積極活用の意見は2割に満たなかった。

 福井県内の原発はこの10年で高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)を含め6基の廃炉が決まり、再稼働した原発も司法判断で運転停止となることがあった。自由記述では、原発の安全性や使用済み核燃料の処理への懸念のほか「原発がなくても需要、供給は大丈夫だと思う」(坂井市・70代主婦)との意見があった。

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 菅首相が2050年までの脱炭素社会実現に向け、原発を含むあらゆる選択肢を追求するとしていることについては、全国の58・5%が「妥当でない」「どちらかといえば妥当でない」と回答。温室効果ガス削減の方法では「洋上風力など再生エネ増」を求める声が全国73・2%、福井県65・0%と最も多く、あわら市沖など全国で計画が進む洋上風力が有力な選択肢として意識されていた。「原発建て替え・新増設」は全国8・6%、福井県20・4%だった。

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