全商9種目での1級合格を2年生で達成した加茂さん=2月24日、福井県立武生商業高校

 簿記や珠算、ビジネス文書など、商業を学ぶ高校生が3年間かけて取り組む全国商業高等学校協会(全商)の検定試験で、福井県立武生商業高校2年生の加茂真斗さんが、検定全9種目の1級合格を果たした。全種目1級の“9冠”は、県内で3年生でも毎年数人しか達成できない最難関。2年生での達成は同校初で、全商事務局(東京)も「全国的にも珍しい。素晴らしい成績」と快挙をたたえている。

 加茂さんは1年生の6月に電卓実務で最初の1級を獲得。同じ時期に同校の3年生が、学校の新記録となる3年生1学期で9冠を達成したことを知った。「先輩の記録を塗り替えたい」と負けず嫌いな性格に火が付いたという。

 2019年度に9冠を達成した高校3年生は全国で50人、福井県内では2人だけ。3800人に1人程度という高いハードルに対して、加茂さんは1年生の1月ごろには「2年生のうちに9冠を目指します」と担任の野口大輔教諭に宣言。各検定試験の日程を調べ、勉強のスケジュールを組んだ。加茂さんの科では授業がない種目もあったが、野口教諭をはじめとする複数の教員が補習を組んで挑戦を支えた。

 新型コロナウイルスの影響による2年生序盤の休校期間は、高校入学まで経験がなかった珠算の練習に充てた。自宅で動画投稿サイト「ユーチューブ」の関連動画を見て独学した成果を発揮し、休校開けの6月に珠算1級に合格した。

 苦手意識があった英語は9月に1度不合格となったが、こつこつと英単語を覚え、本年度のラストチャンスとなった昨年末の試験で見事にリベンジ。最後の種目となった今年2月の商業経済に一発合格し、2年生9冠の「高い目標を有言実行できた」(加茂さん)

 部活動では硬式テニス部の主将を務め、新年度の生徒会長もすでに決まっている。加茂さんは「3年生の前半は部活、秋からは学校祭や武商デパートなどの学校行事に全力で取り組みたい」と話す。大学に進んでさらに経営や商業を学ぶ目標を掲げ「将来は会計にまつわる仕事に就いて世の中の役に立ちたい」と夢を描いている。